厚沢部町 6年度教育行政執行方針 生成AI等で授業改善 新たに給付型奨学金制度も
(市町村 2024-03-15付)

厚沢部町髙野政人
髙野教育長

 【函館発】厚沢部町教委の髙野政人教育長は5日開会の定例町議会で、教育行政執行方針を説明した。デジタル教材や生成AI等を効果的に活用した授業改善の推進を図るとともに、自己調整学習力の育成を図るとした。

 また、新たに給付型奨学金制度を設立し、教育環境の構築を目指すとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力を育成する教育の推進

 高速大容量通信環境でクラウドの活用を前提とした1人1台端末の効果的活用を図る。AIドリル、デジタル教材、生成AIを効果的に活用し、学習理解度や課題に応じた丁寧な授業の充実を目指し、授業改善の推進を図る。学習スキルと自己効力感を高められる環境を整え、自己調整学習力の育成を図る。ICT支援員は引き続き配置する。

 習熟度に応じた少人数指導を重視し学習者の自己成長を促す学び合いの好循環を確立する。

▼豊かな人間性と健やかな体を育む教育の推進

 「特別の教科・道徳」を通じて、問題解決や体験を基盤とした学習を深化させる。多様な視点で考え、議論する活動を重視する。教員自身も道徳と人権に基づく教育の質の向上を目指す。

 キャリア・パスポートをデジタル化し、全学年での利用をさらに進めることで、子どもが自分のキャリアパスを効果的に探究できるよう取り組む。

 いじめや不登校、児童虐待に対する迅速な対応を目指す。インターネット上のトラブルを予防するためネットパトロールを継続するとともに情報モラル教育の推進を図る。ヤングケアラーの実態調査など適切な支援に努めるとともに、学校にスクールカウンセラーを配置し、相談体制を強化する。

▼健康教育の推進

 小学校における体育専科教員による巡回指導の継続のほか、中学校に体力向上スペシャリスト教員経験者を配置し、一層の体力・運動能力向上に努める。生理用品は小・中学校の保健室および女子トイレへの配置を続ける。

▼特別支援教育の充実

 様々な学習の場の設置や「通級指導教室」の実施に向けた体制の整備を進め、特別支援教育支援員の配置と資質向上、専門研修の強化に努める。個別の教育支援計画を作成・活用し、教育環境のユニバーサルデザイン化に取り組む。

▼信頼される学校づくりの推進

 学校における働き方改革の推進に向け「北海道アクション・プラン(第3期)」に基づく取組を推進する。校務のDX化等を通して、時間外在校等時間の縮減に向けて働き方を見直す。休日部活動の段階的な地域移行に向け、運動部員に対する専門講師による体幹や筋力トレーニングを継続する。

 スタディ・ログ(学習履歴)をはじめとしたデジタルポートフォリオの作成と引き継ぎを通して小中一貫した指導体制の構築に努める。

▼教職員の資質・能力の向上

 教職員の服務規律や法令の順守の徹底、不祥事の根絶と未然防止への努力を推進し、教育界全体の信頼性の確保に貢献する。

▼学校における安全教育の充実

 学校安全計画および危機管理マニュアルをもとにした研修の充実をはじめ、危機管理体制を一層強化する。災書時に児童生徒が適切な判断や行動を取れるよう、避難訓練や講習会等を充実させる。

▼「教育環境の整備・充実」について

 6年度で閉校となる鶉小学校は厚沢部小学校との統合を見据え、交流機会の確保や両校の特色を生かした教育課程など保護者や地域住民の思いを大切にしながら具体的な道筋を示す。暑さ対策として冷房設備設置工事の6月末までの完成を目指す。

 従来の貸付型奨学資金制度を拡充するとともに給付型奨学資金制度を創設し、制度の充実を図る。

(市町村 2024-03-15付)

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