帯広市教委おびひろスクールコラボ　学校の“やってみたい”応援　地学協働や学校力強化など

（市町村 2024-03-28付）

　【帯広発】帯広市教委は６年度、新規事業「おびひろスクールコラボ」を始動する。学校が企画する地域学校協働活動や、専門家の協力を得た学校力強化の取組等の実現に向けて、ふるさと納税の寄付金を財源に、リソース確保を支援するもの。市教委は「学校の企画力やマネジメントが重要」とし、社会に開かれた教育課程に対する各学校の意識向上に期待を寄せる。

　市教委は、市内小・中学校で２年度から、ふるさとの自然環境や歴史、文化、産業などを地域人材との関わりを通して学ぶ「おびひろ市民学」を推進。４年度のアンケート調査では「帯広のことが好き」と回答した児童生徒は９割を超え、６、７割が「地域や社会を良くするために何をすべきか考える」と答えており、地域への愛着や誇り、地域社会の一員としての当事者意識を高めている。

　一方で、おびひろ市民学は市教委が主導するため、外部人材との連携・協働が学校に根付かず、教育活動に対する地域の参画が限定的になるなどの課題があった。

　市がまちづくりに関して行う住民向けのアンケート調査では、地域活動に対して「関心がない」「何をしたらいいか分からない」という回答が半数を占めている。

　また、専門性の高い授業づくりに向けては、人材や資金などのリソースが要となる。

　これらの課題を踏まえ、市教委は６年度から新規事業「おびひろスクールコラボ」を始める。テーマ「学校の“やってみたい！”を応援」のもと、学校が企画する外部と連携した教育活動の実現に向けて、行政がリソースを確保するもの。ふるさと納税による寄付金を積み立てる「こども学校応援基金」のうち、５０５万円を事業財源とする。

　事業の活用に当たっては、カリキュラム全体を地域人材と協働する「フル」、一部の授業で地域と連携する「ミニ」、学校改善に向けて専門家の協力を得る「アップグレード」の３パターンを用意。中でも、アップグレードに関しては、授業改善を図るための視察や講演、指導助言などを例示しており、学校力や組織力の強化を事業推進によって下支えする。

　企画に使用できる予算は、フルおよびアップグレードが５０万円以下、ミニが５万円以下。外部人材に対する１コマ当たりの謝金は、地域住民が２８００円、専門家が７９００円となる。

　５月末日から始まる１次募集に向けて、年度当初から事前相談を受け付ける。人材や資源の紹介など、学校の企画実現にできる限り寄り添う考え。申請が受理された学校は年度内に取組を完了し、実施結果を市教委に報告することで、支払い手続きに進む。

◆学校の企画力が鍵

　市教委は「学校の企画力やマネジメントが重要となる。教職員が外に目を向け、ヒト・モノ・カネを考えるきっかけにもつながれば」と期待。「地域の資源や特色を生かし、地域人材や専門家の協力を得ながら、子どもの意欲を高める取組を実現してほしい」と話している。

(市町村 2024-03-28付)