礼文町 6年度教育行政執行方針 礼文高生の負担軽減へ 各種費用助成や海外交流等(市町村 2024-04-01付)
竹中教育長
【稚内発】礼文町教委の竹中俊一教育長は、第1回町議会定例会で6年度教育行政執行方針を説明した。全国から入学者を募集している礼文高校への支援では「全ての生徒を対象に、通学や昼食、教科書や学習用端末購入に係る費用を助成するとともに、卒業後の進路選択の幅を広げるため、海外交流や資格検定受検に係る費用を助成していく」と宣言。このほか、物価上昇による家計負担の支援策として、全ての家庭に対して給食費の一部を助成する方針を示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼全ての子どもたちの可能性を引き出す教育の推進
幼児教育では、参加者間の交流活動や親子の共同体験などを主眼としつつ、就学期に至るまで親子そろって様々な本に慣れ親しむための支援などを通じて、幼児期の子どもの特性に応じた家庭教育を確立するきっかけづくり、家庭以外における親子の触れ合いを深める場づくりを推進する。
義務教育では、児童生徒の学習用端末のさらなる効果的・実践的な活用を通じた「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実現をはじめ「確かな学力の向上」や「運動習慣、生活習慣・食習慣の改善」につながるよう各学校で策定している「学校改善プラン」の確実な推進に努めていく。
外国語教育に係る指導体制の充実や、地域で外国語に慣れ親しむ機会を提供するとともに、これまで中学生の英語に限定していた検定試験助成の科目追加や対象者の拡充、町教育研究会を中心に取り組んでいる「礼文検定」に対して、必要となる支援を行う。
▼礼文型教育連携を中心とした多様な学習機会の保障
町では、平成18年度から町教育研究会が中心となって「保・小・中・高の教育連携」に取り組んでおり、学校種間の垣根を越え、子ども・教職員・保護者を連携の中心に据え、地域の協力を得ながら関係者が一丸となって子どもを育てることを目標に掲げている。
各学校で独自色を持ちながらも、共通認識のもとで取り組んでいる「礼文学」に対して必要な支援を行うほか、小学校では、きめ細かな指導や支援を行うため、地域住民の理解と協力のもと、協働活動推進員や学校教育支援員を配置する。
また、地域住民が主体となる出前講座の実施をはじめ、学校・家庭以外の第三の居場所となる「放課後子供教室」を通年で開設し、地域における安全・安心な学びの拠点としてさらなる内容の充実に取り組む。
中学校区に一つ設置している「学校運営協議会」で、小・中学校の保護者や地域住民を交え、学校と地域のさらなる連携の推進と、学校が抱える様々な課題解決が図られるよう協議会の機能強化を目指していく。
遠距離通学が必要な児童生徒は、スクールバスによる輸送体制の維持や遠距離通学費を助成するとともに、町通学路交通安全プログラムによる関係部署・機関との連携を通じ、児童生徒が安全・安心に通学できる環境を確保する。
学校教育法に定められた経済的な就学支援を必要とする家庭については、児童生徒が支障なく明るく楽しい学校生活を送ることができるよう、規定の支援を行うほか、昨今の物価上昇による家計負担の増大を鑑み、全ての家庭に対して給食費の一部助成を行う。
学校における働き方改革については、現在、第2次働き方改革アクション・プランに基づく取組を鋭意進めており、引き続き、全ての教員が心身共に健康を維持し、様々な教育活動の中で子どもと向き合う時間を確保できるよう、必要な措置を講じていく。
▼地域と一体となった魅力ある高校づくりの実現
入学者を全国から募集する「最北れぶん留学事業」の開始によって、その存在がますます重要となっている。
高校の魅力をさらに高めるため、礼文高校魅力化推進協議会での議論がもととなる各種施策について、町内外の関係者・有識者と一体となって、継続的かつ発展的に取り組んでいく。
入学者の全国募集については「地域みらい留学」における説明会をはじめ、オープンスクールや専用ホームページなどを活用して、全国の中学生に対して、最北の島の高校生活を具体的に発信するとともに、町内から進学する中学生に対しても、オープンスクール開催時に合わせて体験入学を実施するなど、高校の魅力を実感できる取組を進めていく。
高校生活における利便性向上と家庭の経済的負担軽減については、全ての生徒を対象に、通学や昼食、教科書や学習用端末購入にかかる費用を助成するとともに、卒業後の進路選択の幅を広げるため、海外交流や資格検定受検にかかる費用の助成をしていく。
留学生の生活基盤である学生寮について、生活指導員をはじめ、高校や保護者との連絡調整役となるコーディネーターを配置することによって、生徒の安全・安心な生活を担保し、学業との両立を支えていく。
(市町村 2024-04-01付)
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