豊富町　６年度教育行政執行方針　給食費５割を減免　部活動地域移行協を設置

（市町村 2024-04-01付）

岡本教育長

　【稚内発】豊富町教委の岡本誠也教育長は、第１回定例町議会で６年度教育行政執行方針を説明した。物価高騰に伴う家庭への経済的支援策として、給食費の５割を減免していく。部活動の地域移行については、６年度から「部活動地域移行協議会」を設置しさらなる検討を進めていくとの方針を示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

　「社会で活きる確かな学力、資質・能力の育成」では、義務教育９年間を見通し、指導の個別化や、学習の個性化を重視し、子ども一人ひとりに応じた学習指導を実践していく。それには「主体的・対話的で深い学び」の視点から「何ができるようになるか」を重視した授業改善を図っていく。

コミュニティ・スクールでの学校支援や社会教育団体等の協力を得ながら、体験活動やふるさと教育の充実を図り、社会に生かそうとする学びに向かう力や、未来に対応できる思考力、判断力の育成に努める。

　学力向上に向けた取組としては、４年度から導入しているＡＩドリルで個々の理解度を分析し「主体的・対話的で深い学び」を推進していく。さらに、基礎学力の向上をねらいとする公設学習塾では、育英館大学の協力や豊富高校生の協力を得ながら、学ぼうとする意欲向上に努めていく。

　「特別支援教育の充実」は、特別な支援を必要とする児童生徒に対し、個々の力が最大限に発揮される教育の推進や、豊富小では、知的学級１学級、情緒学級２学級に対し、特別支援担当教諭６人と、町費による特別支援教育支援員を継続して配置する。豊富中では、病弱学級を新たに１学級設置し、知的学級１学級、情緒学級１学級に対し、特別支援担当教諭４人、町費による特別支援教育支援員の継続した配置によって、一人ひとりの得意・不得意を理解した教育や支援をしていく。

　「主体的に考え判断する能力の育成」については、ＡＩドリルによって、学校授業や家庭内でのタブレットを活用した学習を行い、主体的に学ぶ姿勢から、「何ができるようになるか」を基本に「考え、判断する能力」の育成に努める。学習指導に対しても一方的に教えるのではなく、児童生徒に問いかけ、対話を重視した指導工夫に努めていく。

　「人生の基盤となる健やかな体の育成」は、健康運動指導士によって、小・中・高での体育授業や部活動、地域住民や各種団体ならびに企業に出向き、個々の心身の状況に応じた安全で効果的な運動機能の向上を図り、生涯を通じた個々の健康づくり、体力づくりの実践を継続する。

　また、近年の物価の高騰などによる子育て世帯への経済的負担軽減を図るため、小・中・高の児童生徒分の給食費を５割減免として考えている。

　学校の部活動の在り方について、国が進める地域移行に関して、受け皿となる地域団体や指導者確保の問題から、地域関係者の協力を得て「部活動地域移行検討会」を４年度に立ち上げたが、６年度から「部活動地域移行協議会」を設置しさらなる検討を進めていく。

　「学びを活かす教育環境づくりの推進」について、小・中・高の連携の在り方についても、各小・中学校と豊富高とのつながりを強め、高校までは町で学習できる環境を認識してもらうなど、学校間交流を推進している。豊富高の存続に向けた取組も通学費の助成や各種検定料の助成、修学資金の貸し付けや入学生の保護者に制服、上靴、指定ジャージの助成、タブレットの購入費用の一部助成を継続する。

(市町村 2024-04-01付)