ＳＳＨ・コズモＰＪ成果発表会　１年間の集大成共有　屋久島での研修など　札幌開成中等

（札幌市 2024-04-02付）

オールイングリッシュでの報告も実施

　市立札幌開成中等教育学校（宮田佳幸校長）は３月１５日、同校でＳＳＨ・コズモプロジェクト研究成果発表会を開催した。全校生徒が参加し「さくらサイエンスプログラム」や「屋久島プロジェクト」などの活動報告を行ったほか、１０７のグループがそれぞれのテーマでポスターセッションを実施。１年間の学びの成果を共有した。

　同校は、前身となる札幌開成高校時代からＳＳＨの指定を受けており、本年度は第３期（１期５年）の２年次で通算１２年目となる。第３期では高校段階に当たる４～６年生だけではなく１～３年生を含めた探究活動を推進。また、国際バカロレアプログラムを採用していることから第３期の研究開発課題を「インターナショナルバカロレアに基づく６年一貫の課題探究的な教育プログラムの実践」としている。

　今回の研究成果発表会では、ＳＳＨ、国際バカロレアプログラムに関連する様々な実践について様々な方法で発表。１～５年生の活動報告、１・２年生の口頭発表、３～５年生のポスターセッションを行い、多くの生徒がプレゼンテーションに立った。

　活動報告は、各教室、体育館など各所で一斉に実施。屋久島などでの研修を中心とした「屋久島プロジェクト」や筑波大学と連携した「つくばプロジェクト」、ザンビア・タイなどの高校生と交流しながら進めた「さくらサイエンスプログラム」での学びについて代表生徒が報告した。

　うちさくらサイエンスプログラムの報告では、３グループが登壇しオールイングリッシュでプレゼンテーション。農業における水質の重要性について日本と外国の比較を通して調査した結果などを伝えた。

　ポスターセッションは、３・４年生の異学年合同課題研究活動「プレコズモサイエンス」と５年生の課題研究「コズモサイエンス」の内容をまとめたもの。同校生徒だけではなく、市立札幌旭丘高校、札幌啓成高校、札幌日本大学高校からも参加があり、１０７中１９グループが校外からの参加となった。

　会場では、生徒たちが研究成果をそれぞれの言葉で説明。「月面探査に有効なローバーの開発」「発展途上国で作れる完全栄養食の考案」など多様なテーマについてプレゼンが行われた。

　また、１・２年生は基礎期の探究活動「試行錯誤」「試行錯誤Ｐｒｏ」について口頭発表し、３年から始まる課題研究活動への弾みをつけた。

　このほか、ＳＳＨ講演会として海洋研究開発機構地球環境部門の池上隆仁副主任研究員の講話を聴講。海洋プラスチック問題や海洋探査などについて学びを深めた。

　宮田校長は「生徒たちには、失敗から何を学び、どう前に進むのかが大事だと伝えている。きょうの発表では、研究での失敗を含めて振り返り、共有することでさらなる学びにつなげてもらいたい」と期待していた。

(札幌市 2024-04-02付)