札幌市教委　特支巡回相談員配置　高校まで対象拡大　困難抱える生徒など把握

（札幌市 2024-04-02付）

　札幌市教委は６年度、特別支援教育巡回相談員配置事業の対象を高校まで拡大する。困難さを抱える生徒や悩みを持つ教員などを把握し、適切な支援につなげていく考え。

　市における特別支援教育の充実に資するため、会計年度任用職員の特別支援教育巡回相談員を配置し、各校の特別支援教育コーディネーターなどを支援するもの。

　巡回相談員は現在１０人配置。１人１区ずつ担当し、市内の小・中学校を訪問している。

　①各学校の特別な教育的支援を必要とする児童生徒の困難さの把握②困難さを把握した児童生徒への適切な教育的支援の検討や、個別の教育支援計画、個別の指導計画作成等の支援③障がいのある子どもの実態を踏まえた合理的配慮についての相談、検討④各関係機関との特別支援教育に関する情報交換・連携⑤資料提供や研修支援等、各学校における特別支援教育の推進―などの業務について、市教委指導主事と連携しながら取り組んでいる。

　文部科学省が４年度に公表した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」結果によると、学習面または行動面で著しい困難を示す子どもの割合が高校で２・２％に上っており、高校における支援体制の構築が求められている。

　こうした背景を踏まえ市教委は、巡回相談員の巡回先に高校を追加。今後を見据え、困難さを抱える生徒や「どのような支援をすれば良いか分からない」といった悩みを持つ教員など、潜在的なニーズを掘り起こし、適切な支援につなげていく考えだ。

　巡回相談員は増員せず、現在の１０人の中で担当を割り振りし、市立高校８校をカバーすることとしている。

　４月中旬ごろ計画訪問の日程調整を行い、１学期中をめどに各学校を訪問する予定。このほか、各学校の要請などに基づく一般訪問も実施する。

(札幌市 2024-04-02付)