支援セン宮の沢オンラインコース　仮想空間活用し支援　不登校児の学び場確保へ　札幌市教委

（札幌市 2024-06-04付）

教育支援センターオンラインコース

　札幌市教委は、前年度から試行実施している教育支援センター宮の沢のオンラインコースについて、本年度は新たにメタバース（仮想空間）を活用した支援を開始した。アバターを動かすことで、学習アプリを活用した個別学習、双方向のコミュニケーション活動などに参加することが可能となっている。市教委は、引き続き不登校児童生徒の学びの場の確保に努めていく考え。

　文部科学省の４年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、市内の不登校児童生徒数は４８３６人と、過去最多を記録。全国的な流れと同様に、市内でも増加傾向にある。

　こうした状況を踏まえ、市教委は５年度から教育支援センター宮の沢で、１人１台端末を活用した支援としてオンラインコースの試行を開始。ドリル問題など学習支援を中心としたプログラムを展開し、学びの場の確保に努めた。

　本年度は、新たにメタバースを活用した支援を開始。システムは、富士ソフト（株）（神奈川）が開発した「ファムキャンパス」を導入した。

　「イーボード」「ドリルパーク」などの学習アプリを活用した個別学習、不登校対策指導員との双方向による学習支援を展開。グーグルミートによる指導員や児童生徒同士でのコミュニケーション活動等も想定している。

　児童生徒が仮想空間上のアバターを動かすことで、これらの活動に参加できる。

　このほか、希望者を対象に、教育支援センター宮の沢で実施する施設外見学、体育室での活動を行う。

　小中学生が対象。毎週火、水、金曜日の３日間、午前１０時１５分～１１時、１１時１５分～４５分、午後１時１５分～２時に開所する。

　５月中旬から開始しており、５月末現在で９人が登録している。

　オンラインコースでの活動は、指導要録上の出席扱いとすることが可能となっている。

(札幌市 2024-06-04付)