十勝教育研究所　リモートワーク実現　繁忙期の超勤時間　例年の３分の１に　所内セキュリティーを改修

（関係団体 2024-07-11付）

　【帯広発】十勝教育研究所（山田洋所長）は所内のセキュリティシステムを改修し、所員のリモートワークを実現している。６年度、繁忙期の超勤時間は例年の３分の１に縮減。所員は「個人のペースで業務を進めることができる」と話しており、出勤日の打ち合わせ内容の深化、子育てや生活との両立などに効果が表れている。

　同所は３年度、業務のスマート化に向けて構想を立て、リモートワークの実施や各種発行物のデジタル化などを推進している。リモートワークは、所員が生活と仕事を両立し、個人業務に充てる時間を醸成できるよう計画。端末リース等の取引先と協議を重ね、５年度から所内の共有サーバーを、所員の端末に限定公開している。

　共有サーバーには、管内の教育情報や調査研究の経過などの情報が保管されている。ＶＰＮ（仮想専用通信網）に接続し、サーバーのＩＤおよびパスワードを打ち込むことで閲覧が可能。接続できる端末の制限や、ＶＰＮ等のパスワード更新のほか、定期的に共有サーバのバックアップをとり、機密性を高めている。

　所員はリモートワークを通して「個人のペースで業務を進めることができる」「思い出した時にすぐ共有サーバーから情報を確認したり、付け足したりすることができる」と、業務効率の向上を実感。子育て世代の所員が多い中、「仕事のタイミングを選べるため、子どもの送迎があっても、リモートワークができる安心感がある」と語る。

　また、外部への情報発信に向けた提案文書の作成など、個人業務を所外で行うことができるため「研究所の出勤日は打ち合わせに割く時間が増え、話し合う内容が深まっている」「個人業務の中で浮かんだ疑問を、整理した状態で相談できる」と話している。

　同所は４月から５月にかけて、発行物の作成・送付や会議の開催準備などで例年多忙を極める。リモートワークが本格化した６年度の超勤時間は、３～５年度と比べて３分の１ほどに減縮。所員は「個人業務を効率的に進められるため、持ち帰る仕事が増えたようには感じない」「開催案内等のデジタル化も業務効率化の一助になっている」と分析している。

　現在、所員の勤務校は同所がある幕別町や近郊の音更町に限られている。山田所長は「所員のワーク・ライフ・バランスを実現するとともに、出勤しなくても業務や会議を行える環境を整えることで、所員参加の幅を広げられたら」と期待を寄せる。

(関係団体 2024-07-11付)