稚内でほっかいどう学連続セミナー 宗谷再発見テーマに みち学習等題材に実践発表(関係団体 2024-07-09付)
発表などを通してインフラを活用した学習について学んだ
【稚内発】認定NPO法人ほっかいどう学推進フォーラム(新保元康理事長)は6月29日、稚内総合文化センターで第10回ほっかいどう学連続セミナーを開催した。教育関係者や建設関係者ら約30人が出席。「宗谷再発見」をテーマに、学校や研究団体が進めている「みち学習」に関する発表やパネルディスカッションを実施。交通インフラを題材に、児童生徒の主体的な学びを引き出す学習方法について理解を深めた。
セミナーは、宗谷の魅力とそれを支えるインフラの価値を再発見し、どのように教育につなげていくかを議論することが目的。
開会に当たり、同フォーラムの倉内公嘉副理事長は「道の発展はインフラの歴史と関係が深い。インフラを理解することで、地域や人々の歴史についても学びを深めてほしい」と呼びかけた。
つぎに、新保理事長が同フォーラム発足の経緯や北海道総合開発計画との関わりなどを説明したほか、今後は学校が学習で使用できる動画や教材をまとめたプラットフォーム開設を進めていることも紹介した。
発表では、道開発局稚内開発建設部の甲斐明次長、利尻町立仙法志小学校の山本真司校長、上川みち学習検討会の蟹谷正宏座長の3人が登壇。管内のインフラ整備の歴史や学校で取り組んでいるインフラを題材にした学習について解説した。このうち、山本校長は前任校のある礼文町で進めていた修学旅行におけるみち学習について説明した。
礼文町の小学校は、修学旅行で訪れる旭川市まで国道40号をバスで移動している。移動行程を生かした事前学習では、標識や道路構造物に関するクイズのほか、休憩で利用する道の駅の機能として①休憩②情報発信③地域連携―の三つを備えていることなどを学んでいる。
山本校長は「事前に写真で見たものを実物で見たり、知らなかったものを発見すると、児童同士の交流も活発になりやすい。生活に身近なインフラは活用しやすく、児童の主体性を伸ばすことにもつながるのでは」と述べた。
パネルディスカッションでは、発表者3人に、稚内市立稚内南小学校の安田小春教諭を加えた4人がパネリストを務め「宗谷の子どもたちに一番知ってほしいこと」などをテーマに意見交換。蟹谷座長は「矢羽根など雪国にしかないものに対して、子どもは何のためにあるのかを疑問として持っている。大人になった時に地域のことを説明できるようにするためにも、みち学習を推進していきたい」と話した。
山本校長は「インフラはあって当たり前だが、どれだけの人が関わっているのか、時間を要しているということを理解できるように伝える必要があるのかを伝えていきたい」などと述べた。
また、安田教諭は、プラットフォームの開設について触れ「3・4年生の社会科では地域教材を使用する機会が増えるが、副読本だけでは不十分なことも多い。動画や写真等の教材は教員にとってもありがたいと思う」などと期待を寄せた。
(関係団体 2024-07-09付)
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