校長会長インタビュー 第7回 檜山校長会会長 笠松 靖史氏 子どもが主役 先生も主役(関係団体 2024-07-12付)
檜山校長会 笠松靖史会長
―就任に当たっての抱負
本年度、檜山校長会の会長という大任を仰せつかり、重責を担うことになり気が引き締まる思いでいる。
本会は昭和23年の創立以来76年間、管内教育の充実・発展のために研究と実践を積み重ねるとともに、教育条件の整備・充実等に努めてきた。
現在、今日的な教育課題が山積しているが、本会の使命である各学校の「教育の質の向上」を目指すことを中心に据える。そのために校長の明確なビジョンと鋭い時代感覚のもと、創意ある教育活動の推進と学校組織の活性化を図り、子どもの成長の姿で教育活動全体を評価・改善していく、粘り強い取組が必要であると考える。
また、会員27人という小さな組織であることを強みと捉え、情報共有と連携・協働を大切にした運営によって時代の要請に応え、保護者・地域、関係機関から信頼される学校経営のため実践と研修を進めたい。
―管内の教育の特色
本年度の学校数は、管内7町で小学校17校、中学校10校の計27校である。その中で約65%の小学校が複式学級を有している。また、5町は1町1中学校である。このような地において、各校では地域と連携し、地域の自然や産業を教育活動の素材とした「ふるさと教育」に積極的に取り組み、地域と共にある学校経営を推進している。
―管内の教育の課題と対応
今日的な学校課題の一つである学力・体力の向上に向けては、校長間で連携し一体感のある取組を継続している。その結果として、全国学力・学習状況調査や全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、ここ数年全国平均を上回る成果を示している。
本会は今日的な教育課題解決のために「ふるさと檜山に誇りをもち、自己実現に向けて未来を切り拓く児童生徒」を育む学校経営の在り方を究明し、保護者や地域住民の負託と信頼に応える教育活動の推進ならびに充実・発展に寄与していかなければならない。
本年度の重点的な取組は「生きる力を育む適切な教育課程の編成・実施・評価・改善」「教職員の資質・能力の総合的な向上」「組織活動の活性化と充実」「防災教育と健康安全教育の充実」の4点である。
校長は、自らの職責を自覚し、リーダーシップを発揮して業務の明確化・適正化や組織運営体制を見直すなど実効性のある「働き方改革」を推進しながら、いかに自校の教職員のウェルビーイングの向上を図り、やる気を引き出すか、そのための職場環境の整備をどう図るかも大切である。そのことが子どもたちのウェルビーイングが実現できる学校づくりへとつながるものと信じている。
―信頼される学校づくりに向けて
校長自らが研鑚に励み、学校経営上の諸課題を明確にし、学校改善につながる学校評価のさらなる充実を図り、教職員の経営参画意識を高め「創造的で信頼される学校経営」の推進に努めたい。
また、保護者や地域住民等から信頼される教職員の育成を目指し、服務規律の厳正な保持の徹底に努めるとともに、校長会自らが不祥事の未然防止に向けた積極的な発信を行うなど教職員の意識改革に努めていく。
―学校組織の強化・活性化に向けた取組
時代の変化に即した生徒指導や特別支援教育を組織的に推進していきたい。そのため、生徒指導提要の改訂ポイントを踏まえ心の教育の一層の充実を図り、いじめ・不登校、問題行動等の生徒指導上の諸問題解決を図り、児童生徒が社会の中で自分らしく生きることができる存在へと自発的・主体的に成長・発達する過程を支えることを目指す。
また、特別支援教育の今日的課題を明確にし、充実と課題解決に向けた組織的な取組を推進する。さらに、学校・家庭・地域・関係機関および同一中学校区内の小学校間や小・中学校間の連携強化および円滑な接続によって、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握し、適切な対応を図る特別支援教育の充実を図る。
―教職員の人材育成に対する校長会の対応
管内教育の一層の安定・充実を図るために、意欲ある管理職候補者およびミドルリーダーの発掘や育成は本管内においても、依然として喫緊の課題である。将来、管理職候補者や指導主事候補者等を確保するためにも、教員育成指標や管内教諭リストを活用し、教育局とも連携を強化して中・長期的な視点での人材育成に努めたい。
―教育信条
「子どもたちが楽しく学ぶ学校」。子どもあっての教育であり、学校であり、教職員である。子どもたちが楽しく、仲良く、精いっぱい学ぶことのできる学校を創りたい。楽しさは、子どもたちに迎合する甘やかしからは生まれない。楽しい学校とは子ども一人ひとりが、自分が伸び続けていることを実感できる(ウェルビーイングを高める)学校である。そのためには「自分の考えや気持ちを安心して発言・発表できること」「困難に何度も挑戦し、克服できること」「仲間と協力し、互いに助け合えること」が不可欠である。
子どもたちには「くじけない=粘り強く=思いやり=」を合言葉として伝えている。教職員には、学校の教育活動の中心である「授業で勝負」すること、授業の中で、子どもたちの「良さや可能性を伸ばす」ことに全力を傾けるよう伝えている。
子どもたちが、毎日「きょうも楽しかった」という満足感や「早くあしたに」という期待感を持てるような、全ての子どもの瞳が輝く「子どもが主役、先生も主役」の楽しい乙部小学校を創っていきたい。
昭和63年道教育大釧路分校卒、釧路町立遠矢小赴任。平成21年上ノ国町立河北小教頭、23年江差町立南が丘小教頭、27年奥尻町立奥尻小校長、30年せたな町立北檜山小校長、令和2年上ノ国町立上ノ国小校長、4年乙部町立乙部小校長。
昭和40年2月10日生まれ、59歳。函館市出身。
(関係団体 2024-07-12付)
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