校長会長インタビュー 第8回 旭川市小学校長会会長 高野拓実氏
(関係団体 2024-07-16付)

旭川市小学校長会長高野拓実氏
旭川市小学校長会長高野拓実氏

―会長就任に当たっての抱負

 創立以来62年の歴史と伝統のある旭川市小学校長会の会長となり、その重責に身の引き締まる思いである。本年度は転入・採用校長14人の新会員を迎え、総勢52人でスタートした。本年度は、新型コロナが5類に移行して1年が経過し、コロナ禍での経験を踏まえて、持続可能な社会の創り手の育成が求められている。校長としての判断、学校の主体性が問われる今だからこそ組織力を高める機会と捉え、本会の両輪である各部と各地区校長会が支えとなり背中を押す力となる組織でありたいと考える。本校長会が、これまで築いてきた業績を礎としながら、ウェルビーイングの実現を目指すという新しい時代の要請を見据え、校長の職能向上と北海道・旭川市教育の振興に全力を尽くしていきたい。

―旭川市の教育の特色、課題と対応

 本市は、市独自の少人数学級編制、外国語活動サポーターの派遣や特別支援教育専門員・補助指導員の配置、GIGAスクールサポーターやICT運用・活用プロジェクトチームによる支援等、手厚い教育施策が進められている。また、旭川市教育研究会を基盤とした各教科の研究や、今日的な教育課題の解決に資する学校単位での実践研究が熱心に進められている。全国・全道規模の研究大会が開催されることも多く、教職員による主体的な取組は、本市教育の大きな特色と言える。

 最重要課題であるいじめ防止対策については、学校と教育委員会、市長部局が一体となった「旭川モデル」を推進し「旭川市いじめ防止対策推進条例」や「旭川市いじめ防止基本方針」に基づく適切で迅速な対処に全力を傾注する。校長会としていじめ防止対策と併せて不登校への対応に係る研修を実施し、各校の組織的な対応に期するよう取り組んでいきたい。

―信頼される学校づくりに向けて

 変化の激しい予測困難な時代において、子どもたち自らが直面する問題に対応できるよう、学力・体力の向上はもとより、いじめの根絶や不登校への対応、危機管理の徹底について着実に取り組む。特に、いじめ・不登校の重大事態化を防ぐため、重大化を防いだ好事例やインシデント事例などの情報提供を行うとともに、少人数グループによる交流会を実施するなど本件についての理解を深める取組を行い、保護者・地域からの信頼と秩序ある学校づくりに努めていく。

―学校組織の強化・活性化に向けた取組

 校務DXの推進によって、教員同士のコミュニケーションが減少している。例えば、チャットに入れたことで連絡済みという意識がある。多くのチャットが飛び交う中で、伝達漏れと人間関係構築を危惧している。そのため、主体的・対話的で深い学びの実現や1人1台端末の効果的な活用について、校長会として市内各校の授業改善や校内研修の状況を把握し、好事例を共有化することで、各学校の組織強化と活性化に努めている。また、本市働き方改革推進プランに基づき、教職員が生き生きと子どもと向き合うことができる環境づくりに向け、事例集の発行など会員相互の情報交流の機会確保に努めていく。

―教職員の人材育成に対する校長会の対応

 とりわけ、教頭・主幹教諭の育成については、「後継者育成研修の充実・改善に向けた取組」として全体計画を策定し、地区校長会ごとに研修会を実施している。参加対象は受検者以外にも拡大し、将来の管理職候補の発掘にも取り組んでいる。

―教育信条

 「磨すれども磷ろがず」。「愛情」と「気遣い」で学校と子ども、家庭、地域が結ばれる学校づくりを目指している。

 昭和62年道教育大旭川分校卒、平成14年道教育大大学院教育学研究科修了。22年から旭川市立東明中、六合中、永山中で教頭、東神楽町立忠栄小、東神楽小で校長、上川教育局義務教育指導監、令和4年に現職の旭川市立朝日小校長。本年度から旭川市小学校長会会長を務めている。

 昭和39年4月30日生まれ、60歳、旭川市出身。

(関係団体 2024-07-16付)

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