校長会長インタビュー第5回 函館市中学校長会会長 田上直広氏 しなやかに自走する「チーム函中」
(関係団体 2024-07-10付)

校長会インタビュー函中・田上直広会長
校長会インタビュー函中・田上直広会長

―就任に当たっての抱負

 人気アニメ「名探偵コナン」の舞台となる追い風もあり、コロナ禍以前のにぎわいが戻りつつある函館市において、このたび創設60年目を迎えた歴史と伝統ある本会の会長の任を仰せつかり、その重責を担うことに対しては大変身の引き締まる思いである。

 さて、第4期教育振興基本計画では「持続可能な社会の創り手の育成」と「日本社会に根差したウェル・ビーイングの向上」がコンセプトに示された。教育界が大きな変革を迎える中、本会は、校長としての職能の向上を図りながら、それぞれの英知と情熱を結集し、連携と協調のもと「チーム函中」としてしなやかに自走する。函館市内全ての生徒の幸福な未来のために、函館市の学校教育の充実・発展のために、微力ながらもその職責を全力で全うしたい。

―市の学校教育の特色

 市においては人口減少が著しく、現在中学校は19校(小中併置1、義務教育学校1を含む)である。平成27年度には26校であったことからも確実に少子化が進み、他者と触れ合う機会が減少し、学校行事や部活動等一定規模の集団を前提とした教育活動に支障を来すなど大きな課題となっている。

 しかしながら、本市の教育振興基本計画における「函館市の教育のめざす人間像」は「生涯を通じて学び続け、主体的に判断して変化する社会を生きる人(自立)」「寛容さと思いやりの心をもって、多様な人々と絆を結び共に支え合う人(共生)」「世界に目を向け,新たな価値を創り、まちの魅力を高める人(創造)」と継承されている。従って、各校では、そのような人材の育成に向けて、本市教育委員会から示された本年度教育の重点である「誰一人取り残さず個々の可能性を最大限に引き出す教育」の実現を目指し、全ての生徒がその意欲や能力等に応じて持てる力を存分に発揮できるよう取り組んでいる。

―市の学校教育課題と対応

 全ての子どもの可能性を引き出す「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させた「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善をはじめ、全ての子どもが安心して通うことができる学校づくりに向けた「いじめ問題への対応の充実」「不登校生徒への支援を図る校内体制の確立」「教育相談と生徒指導の一体的充実」、また「休日部活動の地域連携・移行」「後継者育成」等課題は山積みしている。本会としては、働き方改革を確実に進める一方、本市教育委員会をはじめ、市小学校長会や渡島管内高校長会等の関係機関と連携し、諸課題の解決に向けた具体的な取組を一丸となって進めている。

―教育信条

 「船を造りたければ、木を買ったり道具をそろえたり作業を配分したりすることよりも、果てしなく続く広大な海を慕うことを教えよ」。長年いかにして生徒・職員の心に火をつけるかを意識してきた。「できました」「分かりました」「頑張ったね」「よくやった」などという声のそばで生徒・職員の笑顔に触れ、彼らの成長とともに学校が変わる醍醐味を味わい、その姿に未来への希望を見いだすことで校長としてのやりがいや幸福を感じている。

 昭和62年道教育大函館分校卒、小清水町立旭野小赴任。平成26年函館市立臼尻中教頭、28年亀田中教頭、30年巴中教頭、31年旭岡中校長、令和4年湯川中校長。

 昭和40年2月8日生まれ、59歳。函館市出身。

(関係団体 2024-07-10付)

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