子の権利　子と教員の認識に差

（関係団体 2024-07-04付）

　「子どもの権利」について、子どもと教員の認識に差があることが「ユニセフ“子どもの権利”学校アンケート」結果で分かった。

　日本ユニセフ協会は「子どもの権利を大切にする教育」の活動の一環として、ことし１～３月、兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄教授の協力と監修のもと、児童生徒と教員の双方に子どもの権利の視点から学校生活を自己評価するアンケート調査を実施。趣旨に賛同した小・中学校８１校から、１万３５７３件の回答が寄せられた。

　設問は①体の健康②心の健康③学校での学び④安心な環境⑤意見表明⑥子どもの権利―の６分野ごとに２問ずつ計１２問で構成。双方が同じ質問に回答する手法を採用し「質問や分野、学年などによって回答に有意な差が生まれるか」などの視点で分析した。

　結果をみると、いくつかの分野において、児童生徒と教員との間に認識の差が見られた。「体の健康」「学校での学び」の分野では、教員と比べ児童生徒の評価の方が高く、子どもは肯定的に捉えていることが分かった。

　一方「心の健康」「安心な環境」「意思表明」の分野では、児童生徒の評価は教員ほど高くない結果となり、学校での心の健康のためのサポートが十分ではないことを示唆している。

　結果を受け、竹内教授は「調査は“子どもの権利に絞って調査したこと”“教員と児童生徒双方に同じ質問をしたこと”の二つの意味で画期的。結果を今後の教育活動に生かしていくことができれば、わが国の教育の流れを根本的に変えるだけのインパクトがある」と考察している。

　同協会は、国内の自治体や学校が子どもの権利を大切にする環境づくりに取り組むことができるよう、研修の実施やツールの開発などを進めていく考え。

(関係団体 2024-07-04付)