石狩小中教頭会がブロック研修会 活力ある学校目指して 恵庭、石狩の教育長が講演(関係団体 2024-07-02付)
講演する岩渕教育長
石狩管内小中学校教頭会(杉浦浩会長)は6月25、27日の2日間、ブロック研修会を開催した。講演や分科会での協議を通して、活力ある学校づくりを目指して研鑚を積んだ。
教頭会の研究主題は「未来を切り拓く力をはぐくむ活力ある学校を創る 教育環境整備の在り方」。第16次3ヵ年継続研究の2年次目に当たる本年度は、副題2「児童生徒の安全安心な教育環境を構築する学校組織の強化・活性化と学校安全教育の推進」のもと、①児童生徒が安心して過ごせる居場所づくりを組織的に進める②児童生徒が自らの危険を予測して回避する危機対応能力や社会貢献できる態度を育成する―の2点における教頭としての働きかけを追究する。
研究内容をみると、居場所づくりに関わっては「いじめ対応・不登校児童生徒への正確かつ迅速な対応を推進する学校組織マネジメントの充実」「自他の命を守る教育、SOSの出し方に関する教育の充実」「関係機関と連携した学びのセーフティネットの構築」について研鑚する。
危機対応能力や社会貢献できる態度の育成においては「効果的な安全教育や防犯教育の在り方」「地域とともに学ぶ体験的な防災・減災教育の在り方」「学校と地域の連携・協働による安全確保や災害対応体制の構築」を推進する。
◆Aブロック(恵庭) 不登校対策で講演
6月25日に恵庭市民会館で開かれたAブロック研修会には、恵庭、千歳、北広島地区の会員51人が参加した。
あいさつに立った杉浦会長は「9月の道公立学校教頭会渡島大会、10月の学校経営研究会につなげるためにも、意欲的な研究協議を通して課題解明に努めたい」と述べた。本年度管内教頭会のスローガンを「一念通天」を掲げ「管内教育推進の重点の具現化を目指し、教職員、教頭自身の資質・能力を向上させる一念を持って取組を継続したい」と訴えた。
恵庭市教委の岩渕隆教育長が「恵庭と3市のかかわりと大学と連携した不登校支援」をテーマに講話。恵庭、千歳、北広島の2050年推計人口や中学生の進路動向とともに、税収や財政力指数などを示し、3市の関連性や良好な財政状況にあることを強調した。
一方で、小・中学校における不登校児童生徒数が増加していることを憂慮。対策として、4年度から北海道文教大学と連携し、教育支援センター「学びの森」を開設していることを紹介した。
自治体と大学が連携することで不登校支援と学術研究、学生による授業支援やインターンシップを通した実践的な経験の積み上げなどのメリットがあることを示し「不登校によって学びや支援にアクセスできない子どもたちをゼロにすることを目指して、教頭の力を借りて頑張っていきたい」と述べた。
このあと、小・中学校別に分科会を開き、研究主題に迫るための議論を展開した。
◆Bブロック(石狩) 子の意見表明保障
27日に石狩市で開かれたBブロック研修会では、開会に当たって舟崎洋史事務局長があいさつ。本年度が3ヵ年継続研究の2年目に当たること、前年度に確認した教頭の関わり方などの方向性に触れ「積極的な参加と意欲的な協議による課題解決を期待している」と話した。
石狩市教委の佐々木隆哉教育長が「こども基本法・子ども権利条約と学校」と題して講話した。児童虐待やいじめ、不登校などわが国の子どもが厳しい状況に置かれていると指摘。「子どもの問題行動は、大人に対して問題提起をしている行動」と述べた。
また、わが国の子どもが他国と比較して「自らを社会の一員だ」と考えている割合が低いことを示した。学校が行うべきこととして権利教育を挙げ「子どもが安心して意見を言える環境をつくることが重要」と強調した。
最後に、教頭に期待することとして①校内周知の要となること②児童生徒の意見の受け止め方の検討③日頃の教育実践の点検④生徒指導提要への教職員の認知度の向上―の4点を掲げた。
このあと、小学校部会と中学校部会に分かれて分科会を実施。研究内容・主題に基づき、教頭の働きかけ方を協議した。
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佐々木教育長が登壇した
(関係団体 2024-07-02付)
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