校長会長インタビュー第1回 空知校長会会長 伊藤 聰氏 つながる心 つなげる学び(関係団体 2024-07-04付)
空知校長会・伊藤總氏
―会長就任に当たっての抱負
子どもたちが将来に向かって夢や希望を描き、新たな時代を生き抜く力を身に付けることを目指して、各校では教育活動が展開されている。社会の要請を念頭に、こうした実践を支える経営力向上の一助となるよう、校長会の活動を推進していく。そのためには、情報と意思の疎通をスムーズにし、互いが見えて「つながる」関係の構築が重要だと考える。
会員数が減少することを見通し進めてきた組織改革は、部の統合など具体的成果を上げ、来年度末の完了を予定している。研修活動と経営研究活動を充実させつつ、財政面を含めた負担を軽減し、持続可能な組織・活動としていきたい。
―管内の教育の特色、課題と対応
かつて空知の繁栄を築いてきた石炭産業は30年前にその幕を閉じ、最盛期には200校を数えた管内の小・中学校も、現在92校と半減している。さらに、前年度実施したアンケートでは、義務教育学校への移行が加速して5年後には80校ほどとなることが予想される。市町に小・中1校ずつ、あるいは義務教育学校1校のみといった地域が多く「横のつながり」はおのずと希薄になっている。
そうした状況の中、学校づくりがまちづくりに果たす役割はますます大きくなっている。コミュニティ・スクールの運営はもとより多様な取組によって地域との協働が進められているが、これら情報の収集や発信による成果と課題の共有は、校長会が担う責務であると感じている。
―信頼される学校づくりに向けて
管内教育推進のスローガン「ふるさと空知を愛する人を育む」のもと、家庭・地域と共に総がかりで子どもを育てることが共通目標である。学校としてこの信託に応える使命を果たすため、各校長は、それぞれの地域の特性を踏まえ、関係機関と連携を図りながら「令和の日本型学校教育」の構築を目指し、改善に取り組んでいる。
先に実施されたEBE協議会では、教育局との事前協議の中でテーマ設定に関わり、実践交流の機会をいただいた。今後の研究活動および経営研究活動でも、同様に「つながり」を大事にしていく。
―学校組織の強化・活性化に向けた取組・教職員の人材育成に対する校長会の対応
教員の量と質の確保については厳しい状況が続いている。また、定年延長も相まって管内教員の年齢構成は高く、なだらかに「つながる」リーダー育成が困難な状況でもある。人材育成と学校組織の活性化に校長がリーダーシップを発揮することが求められている。
これら課題解決にも直結する働き方改革については、道が示したプランに基づき「空知校長会アクションプラン(第3期)」を策定し、本年度から新たな取組を開始する。各市町各校から具体的実践を吸い上げ、解決に向けた方策を管内全体に還流していきたい。
―教育信条
「つながる心 つなげる学び」。この自校の教育目標は10年以上前に改正されている。その時点ではまだ大きな流れとはなっていない地域との連携や、小中一貫の重要性を予見した先達のけい眼に敬服するばかりである。
折しも本校は来年度から義務教育学校として新たな一歩を踏み出す。
人や仲間、社会とのつながりの中で子どもたちがよりたくましく成長できるよう、環境を整えていきたい。
平成元年道教育大旭川分校卒。空知管内小学校で教諭、教頭を経て、30年栗山町立角田小校長、令和2年岩見沢市立東小校長、4年から現職の岩見沢市立栗沢中校長。
昭和40年3月7日生まれ、59歳。三笠市出身。
(関係団体 2024-07-04付)
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