校長会長インタビュー 第6回 渡島小中学校長会会長 西田 浩人氏 つながり 学び 声を届ける(関係団体 2024-07-11付)
渡島小中学校長会・西田浩人新会長
―就任に当たっての抱負
渡島小中学校長会は、昭和52年に小学校長会と中学校長会が統合設立してから47年がたつ歴史ある校長会である。その中で、歴代会長を中心に学校教育における様々な課題に対し、渡島小中学校長会として、その解決に向け一歩一歩、歩みを進めてきた。
前会長のバトンを受け取った4月の総会・研修会では、全国連合小学校長会の存在価値や意義である①つながり②学び③国に声を届ける―を引用しながら、校長の職能を高めるための学び、結束を強めるためのつながり、管内教育を充実させるための要望活動、この3点の推進を強調させていただいた。
現在53人の校長が会員となり、多様な教育課題を真正面から受け止め、その解決に向けて対話・協議を重視しながら、納得解を生み出そうとしている。校長会の活動は、不透明な社会を生き抜く子どもたちを育む教育活動とつながっていなければならない。それをつないでいくことも会長の使命であると自覚している。
―管内教育の特色
渡島管内には、小学校34校、中学校18校、小中併置校1校、そして義務教育学校1校の計54校があり、前年度より2校減少している。小学校の半数が複式校であり、また中学校が1校しかない町が10市町のうち6町となっている。
今後も児童生徒の減少に伴う統廃合が進み、学校数の減少が予想されている。このような状況から、各市町では小・中学校の連携を教育施策の一つに掲げる市町が多い。また、将来の学校の姿を見定めて、義務教育学校の新設を検討する町も出ている。
―管内教育の課題と対応
本会では、校長の職能向上と管内教育の充実・発展を図るために「後継者育成に向けた取組の強化」「学校における働き方改革の一層の推進」「研修活動の推進」「持続可能な組織および活動への改善等」の4点の運営方針と七つの重点活動を定め、10市町校長会の連合体として、組織の総力を結集しながら取組を推進させている。
特に「後継者育成の取組強化」は喫緊の課題と捉え、関係機関と連携した具体的な取組を本会一丸となって進めている。
―教職員の人材育成に対する取組
次世代の渡島の教育を支える人材育成を図り、後継者育成を進めるため、本会ではこれまで夏季と冬季に教育研修セミナーを開催してきた。人材育成に関しては、今後も年2回のセミナーの開催を中核に位置付けながら、内容や方法の充実と参加者の拡大を図っていく。また、数年前に後継者の人材として期待される教職員リストを作成したが、活用することが難しかった。本年度はその資料を更新するための調査を行い、組織的・継続的な育成を進めるための資料となるよう整えていく。
加えて、渡島10市町と函館市の間で管理職員の人事異動が多いことから、函館市小学校長会および中学校長会と情報交流を図っていく。
―教育信条
師弟同行(していどうぎょう)。校長として初めて赴任した学校の庭の石碑に揮毫されていた言葉。学びを支援する伴走者としての役割が求められる今の時代に、この言葉を少し寄せると「師弟共生」という言葉に置き換えることができるかもしれない。
昔から「子どもにとって最大の教育環境は教師」と言われてきた。自分もその言葉を信じ、共感し、自分を奮い立たせながら子どもの前に立ってきた。そして、校長になってからも「子どもと教職員が共に育つ学校」を継続して目指してきた。校長として役割を果たす日は少なくなっていくが、自分が目指す学校に向かって、学校経営を楽しみたいと思う。
昭和62年道教育大函館分校卒。同年恵庭市立和光小採用。平成21年八雲町立黒岩小教頭、23年八雲町教委指導主事、26年八雲町立関内小校長、29年函館市立上湯川小校長、31年渡島教育局義務教育指導監、令和3年八雲町立八雲小校長。
昭和40年1月14日生まれ、59歳。今金町出身。
(関係団体 2024-07-11付)
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