ＡＬＴの強み生かして　英語教育改善プラン報告会　言語活動やパフォーマンス評価など　札幌市教委

（札幌市 2024-08-20付）

　札幌市教委は７日、市内の共済ホールで６年度英語教育改善プラン中間報告会を開催した＝写真＝。各学校の担当教諭ら約３３０人が参加。推進委員を務める教諭３人が、外国語指導助手（ＡＬＴ）と一緒に行う言語活動やパフォーマンス評価の実践を伝えた。

　市における本年度の英語教育改善プランでは、重点を「ＡＬＴやデジタル教材等を効果的に活用し、児童生徒一人ひとりが、授業内において主体的に英語で伝え合うことのできる多様な学びの充実を図る」と設定。

　「ＡＬＴと一緒に行う言語活動とパフォーマンス評価の在り方」「デジタル教材の活用の在り方」に関する研究を進め、参考資料を作成することなどを掲げている。

　中間報告会では、英語教育改善プラン会議の推進委員を務める稲穂小学校の田中由紀教諭、北野台中学校の中井あやめ教諭、市立札幌藻岩高校の沢出晋也教諭の３人が①言語活動、特に「話すこと（やりとり）」におけるＡＬＴとの指導②ＡＬＴと一緒に行うパフォーマンス評価―の２点に関する実践を発表した。

　田中教諭は「ＡＬＴとおしゃべりタイム」と題したパフォーマンス評価の実践を紹介。ＡＬＴの質問に既習事項を使って答えるもので、本物のやりとりの経験を通して話す楽しさを実感してもらうことや、ＡＬＴの評価力の向上をねらったという。児童が「テスト」だと意識しないよう、ネーミングも工夫した。

　「Ｆａｎｔａｓｔｉｃ！」「Ｇｒｅａｔ！」「Ｎｉｃｅ　ｔｒｙ！」などの評価の言葉を視覚化し、ＡＬＴが理由と併せてその場で評価する。「ＡＬＴからの評価が子どもたちの励みになり、つぎへの意欲につながる」と話した。

　評価の内容や方法については「ＡＬＴと事前に打ち合わせをすることが大事」と強調。「ＡＬＴの強みを生かした授業づくりを」と呼びかけた。

　中井教諭は、言語活動と言語活動の間に行う中間指導について、ＡＬＴと生徒のやりとりを通してヒントを得る機会としていると説明。１回目は相づちや繰り返し表現、２回目は会話を広げる質問の重要性に気付かせ、つぎの実践で生かせるようにしていることなどを示した。

　沢出教諭は、言語活動におけるＡＬＴの意義として「Ａｕｔｈｅｎｔｉｃｉｔｙ（本物であること）」を示し「授業を“実際のコミュニケーションの場”とすることが大事」と伝えた。

　最後に、道教育大学附属札幌中学校の萬谷隆一校長が助言。ＡＬＴを言葉の指導者、自分を試す相手、評価の支援者として活用し「手応えのある学びを進めてほしい」と述べた。

(札幌市 2024-08-20付)