給食費公会計化や学校改築等で　教育費歳出３１・９％増　札幌市　５年度各会計決算

（札幌市 2024-09-13付）

　札幌市は５年度各会計決算の概要を公表した。一般会計の状況をみると、歳入から歳出を差し引いた実質収支は６１億円の黒字となり、平成１１年度以降、過去６番目の大きさとなった。教育費の歳出は学校給食費の公会計化や学校改築・リニューアル改修等の費用増に伴い、４年度と比べて３１・９％増加している。

　一般会計の歳入は４年度比１・６％減の１兆２１３１億円。歳出は１・４％減の１兆２０１０億円だった。

　コロナ対策や物価高対策関連の決算額は１４０４億円。ＧＩＧＡスクール構想推進費に８億４７００万円使用した。

　歳入のうち、地方交付税と臨時財政対策債の合計は前年度比０・４％増の１６１３億円。市税収入は１・８％増の３５３７億円だった。

　歳出では、保健福祉費が全体の４割を占めた。障がい福祉サービス費等が増額した一方、新型コロナウイルスの５類移行に伴い、感染症関連経費が減額したため、前年度比３・８％減となった。

　教育費は３１・９％増の６３３億円。学校給食費の公会計化、学校改築・リニューアル改修などによって増加した。

　財政調整基金の５年度末残高は３２０億円。当初は基金から９３億円を取り崩す予定としていたが、予算の執行状況を勘案し、２５億円の捻出にとどまった。このため、実質収支の黒字分のうち、３１億円を翌年度に繰り越した。６年度は９７億円を取り崩す予定で、年度末には２２３億円となる見込み。市は基金残高について１００億円を最低限維持する目標を掲げており、必要な水準を維持している。

　借金に当たる市債残高は、前年度比０・５％増の１兆１０３３億円。施設の長寿命化対策などで資産老朽化比率は７０・８％と、全国平均を３・４ポイント上回っているが、公債費の負担率を示す実質公債費比率は２・９％、将来負担比率は１８・２％と、政令指定都市の平均（７・８％、８８・９％）より低い。これらの健全化判断率によって、市財政局は「財政状況は健全な状況」と判断。将来世代に過度な負担を残さないよう、健全な財政運営を行っていく」としている。

(札幌市 2024-09-13付)