札幌澄川小の協力受け札幌学院大　「防災小説」を調査研究　想像力高める学習効果探る

（札幌市 2024-10-01付）

　札幌学院大学は本年度、災害が起きたことを想定した物語を考える「防災小説」の調査研究に着手する。札幌市立澄川小学校（附田裕哉校長）の協力を受け、授業を通して、児童の防災意識の変化を分析する。対象は同校の４年生。想像力を高める学習の効果を探る。

　同大心理学部の菊池浩光教授のゼミに所属する学生の研究の一環として取り組むもの。同校の４年生約９０人に対し、防災小説に取り組む前後で、危機意識などを問う２０～３０項目のアンケート調査を行い、児童の危機意識の変容を見取る。

　１回目は、９月１日に同校が実施した避難訓練後に実施済みで、１０月からは計４回、防災士の資格を持つ菊池教授による出前授業を導入。児童は自分を主人公として、下校時に大地震が発生したことを想定し、周囲にかける言葉や当時の状況などを８００字程度で執筆する。

　同大によると、防災小説の研究に取り組むのは初めての試み。調査研究に携わる大槻レナさん（４年）は「避難訓練だけでは、子どもたちの災害に対する想像力を育むことは難しいと思う。自分事として捉えることで、危機察知能力やリスク回避能力を高めるきっかけになれば」と期待する。

(札幌市 2024-10-01付)