札幌定山渓中 地域鉄道史を学ぶ じょうてつの足跡探る 郷土の成り立ち思いはせ(札幌市 2024-10-01付)
札幌市立定山渓中学校(関根昌彦校長)は9月24日、全校道徳の一環で定山渓鉄道の歴史を学ぶ授業を実施した。フォトグラファーの久保ヒデキ氏が講師を務め、大正期から昭和期を駆け抜けた「じょうてつ」の足跡を動画や写真を交えて紹介。全校生徒12人は郷土の成り立ちに思いをはせた。
同校は4年度から地域人材を講師に迎え、定山渓地区をはじめとする南区の歴史について生徒に興味を持ってもらう機会を設けている。講師を務めた久保氏は、中学生時代に定山渓鉄道に興味を抱いたのを機に資料収集を始め、平成30年には書籍『定山渓鉄道』を出版。大正7年に開業し、昭和44年までの半世紀にわたって走り続けた鉄路の歴史と市の歴史をひもといた。
白石駅から豊平区を通り、定山渓まで走っていた鉄道は、温泉街の発展に寄与しただけではなく、鉱石や木材輸送にも大きく貢献。昭和35年に乗客率はピークを迎え、顧客開拓としてハイキングやスキーコース、学校、企業誘致、宅地開発などの事業にも手を広げた。
国鉄札幌駅の乗り入れを果たすなど歩みは順調に見えた一方、オリンピックの誘致に伴う地下鉄南北線の開業などを要因に廃線を余儀なくされた。久保氏はこうした歴史について街並みを映したアーカイブ映像や写真を紹介し「もし定山渓鉄道が今も運行していたら、観光列車としては知名度が高く便利なものになっていた」と見解を示した。
自身の興味が仕事につながった経験から「興味があることは、ずっと続けた方が良い。いつか役に立つ時が来る」と呼びかけた。
授業後、生徒の髙松冬真さん(2年)は「定山渓に鉄道があったことを写真や映像を通して知ることができた。当時の南区の風景は語られなければ知らないことがたくさんあった。久保さんの“好きなことはずっと続けてほしい”という言葉を胸に刻み、自分もそのように過ごしていきたい」と話した。
(札幌市 2024-10-01付)
その他の記事( 札幌市)
札幌定山渓学園 概要説明会 旅行的行事 異学年混合で 小学5年生から制服着用
札幌市立定山渓小学校(石川直道校長)と定山渓中学校(関根昌彦校長)は9月25日、定山渓中で7年度に開校する市立定山渓学園の概要説明会を開き、教育活動の方向性を示した。旅行的行事を異学年混合...(2024-10-03) 全て読む
21日から募集開始 7年度星友館中入学者 札幌市教委
札幌市教委は、公立夜間中学・星友館中学校の7年度入学者を21日から募集する。 入学対象者は①義務教育の年齢(満15歳になった日から最初の3月31日まで)を過ぎている②中学校を卒業してい...(2024-10-02) 全て読む
3定札幌市議会代表質問(9月27日)
◆国や物価の動向注視し対応検討 給食費無償化 公費負担拡大 札幌市教委の山根直樹教育長は、9月27日に開かれた第3回定例市議会における代表質問で、学校給食費の無償化や公費負担拡大について...(2024-10-01) 全て読む
札幌市 ヤングケアラー支援研修 11月1日に基礎編 実践編は12月10日開催
札幌市は、6年度ヤングケアラー支援研修の日程や概要を決定した。 基礎編研修は、11月1日午後1時30分から市男女共同参画センターで開催する。ヤングケアラー支援に関心のある者200人が対...(2024-10-01) 全て読む
札幌澄川小の協力受け札幌学院大 「防災小説」を調査研究 想像力高める学習効果探る
札幌学院大学は本年度、災害が起きたことを想定した物語を考える「防災小説」の調査研究に着手する。札幌市立澄川小学校(附田裕哉校長)の協力を受け、授業を通して、児童の防災意識の変化を分析する。...(2024-10-01) 全て読む
札幌中央小 交通安全のつどい 軽い気持ちは重い事故 3地区合同で300人参集
札幌市立中央小学校(冨波修校長)で20日、中央区東北、苗穂、東の3地区合同の「交通安全のつどい」が開かれた。児童や保護者、町内会関係者ら約300人が集い、交通安全標語の表彰などを通して交通...(2024-09-30) 全て読む
札幌市教委 小学校で学校司書 モデル校3校に配置 屯田小など 読書活動充実へ
札幌市教委は本年度、小学校における学校司書の配置について検証している。モデル校3校に配置し「間接的支援」「直接的支援」「教育指導への支援」に関する取組などを推進。子どもの読書活動および学校...(2024-09-30) 全て読む
札幌国際芸術祭 東川下小で出前授業 「自分だけの木」描こう 市内10校でデジタルアート体験
札幌国際芸術祭(SIAF)によるプログラミングを活用した出前授業が、札幌市内の小学校で行われている。アートユニット「フジ森」が市内10校を訪問し、オリジナル作品づくりに取り組むワークショッ...(2024-09-30) 全て読む
3定札幌市議会代表質問(26日)
◆授業教材作成し小・中で活用へ 共生社会実現 札幌市の秋元克広市長は26日の3定市議会代表質問で、若年層における共生社会実現に向けた意識醸成を図るため、小・中学校で活用する授業教材を作成...(2024-09-30) 全て読む
将来への視野広げて 厚別区P連 お仕事体験フェス
厚別区PTA連合会(厚別区P連)は21日、札幌市立ひばりが丘小学校で「お仕事体験フェス」を開いた。延べ300人の家族連れが訪れ、市内企業や専門学校が展開する体験活動に参加。医療やDX、美容...(2024-09-30) 全て読む