札幌国際芸術祭 東川下小で出前授業　「自分だけの木」描こう　市内１０校でデジタルアート体験

（札幌市 2024-09-30付）

プログラミングを活用し木を描く児童たち

　札幌国際芸術祭（ＳＩＡＦ）によるプログラミングを活用した出前授業が、札幌市内の小学校で行われている。アートユニット「フジ森」が市内１０校を訪問し、オリジナル作品づくりに取り組むワークショップを通して、デジタルによる芸術表現の面白さを伝えるもの。２４日には、札幌市立東川下小学校（沼田明也校長）６年生５３人が「自分だけの木」のデザインに挑戦した。

　ＳＩＡＦは、札幌を舞台に世界の最新アート作品に出合える特別なイベントとして、３年に１度開催しているもの。ことしは初の冬開催として、１月下旬から市内６会場を中心に、多彩な展覧会やプロジェクトを展開した。

　出前授業は「ＳＩＡＦスクール」と題して、子どもたちがクリエイティブな創作を体験してもらおうと、前年度から実施しているもの。本年度は、１２日の新川小学校を皮切りに、１１月下旬までの間に１０校で開催する。

　東川下小で行われた出前授業には、フジ森の藤木淳さんと寛子さんが訪問。６年生５３人が、藤木さんらが開発したアプリケーションを使って、オリジナルの木のデザインに挑戦した。

　アプリは、キャンバス上の好きな位置に点を描画するためのプログラムを打ち込み、点と点を結ぶ直線を描いたり、同じプログラムを繰り返す「再帰」の操作を駆使したりしながら、思い思いの木をデザインするもの。

　児童たちは、木の構造が「幹」「枝分かれ」「葉」のつくりで成り立っていることを確認したあと、縦軸と横軸の数値を変えながら点を描写する命令を打ち込むなどして操作方法を習得。慣れてくると、赤・緑・青のコントラストを調整しながら色を付けたり、再帰を活用したりして、自分だけの木を端末上に描いていった。

　藤木淳さんは「アートには様々な表現方法があることを、ぜひ知ってもらいたい」と目を細めた。

(札幌市 2024-09-30付)