札幌市　部活動地域移行モデル事業　演劇ＷＳ　全１３回開催　演技やダンス、発声など体験

（札幌市 2024-10-29付）

　札幌市市民文化局は、部活動の地域移行に向けたモデル事業として演劇ワークショップを展開している。公益財団法人道演劇財団の協力を得て、演技やダンス、発声、舞台演出などを体験できる全１３回のワークショップを開催。演劇部に所属する生徒をはじめとする中学生のニーズや効果などを検証する考え。

　市内の中学校では１１校に演劇部があり、市は、一定の規模があると判断しモデル事業に着手。９月から来年３月下旬までの休日に全１３回のワークショップを行っている。

　演劇関係者とのつながりが多いことを考慮し、市民文化局文化振興課が主導している。

　道演劇財団の協力を得て、カリキュラムの検討や講師の選定などを委託。同財団の斎藤歩理事長ら第一線で活躍する講師陣が名を連ねている。

　生徒の申し込み受け付け、会場の手配などは市が担っている。

　９月に行われた１、２回目のワークショップは演劇部に所属する生徒を対象に募集したことろ、定員３０人に対し応募者が３人だった。

　参加者の確保に難航したことを受け、３回目以降は全ての中学生に対象を拡大。今月１４日の３回目は１６人、２７日の４回目は２８人が参加し、一定の成果が表れた。

　市民文化局の米森正貴文化部長は２３日の第３回定例市議会決算特別委員会で、演劇部の顧問を対象に実施したアンケート結果を紹介。演劇部に所属する生徒は「現状の部活動に満足していたり、塾などほかの活動で忙しかったりすることがあり、ワークショップの参加が少ない結果につながったのでは」と分析した。

　一方、演劇部に所属していない生徒が一定数参加している現状を踏まえ「同じメンバーで稽古から公演まで取り組む形とすることで、演劇部がない学校に通っている子どもたちに部活動に近い機会を提供できるのでは」との考えを示した。

　ワークショップに参加する生徒を含めた関係者の意見などを勘案し「ニーズや効果を見極めるとともに、今後の展開を検討していきたい」と述べた。

(札幌市 2024-10-29付)