札幌市 子の自殺危機対応へ 支援チーム 11月下旬試行 小中高に大学が専門的助言
(札幌市 2024-10-30付)

 札幌市は、自殺リスクのある子どもの支援体制の構築に向け、市内の小・中学校、高校が大学の医局スタッフ等から専門的な助言を受けられる「連携支援アドバイザリーチーム」の試行実施を11月下旬にも開始する。試行段階では札幌市教委、道教委のみに活用方法を周知し、次年度からは学校等の要請機関がチームに直接支援を要請することが可能となる見通し。次年度当初にも事業の活用方法等を示したガイドブックを市内の小・中学校、高校に配布する。

 市保健福祉局が主導する子どものいのちを支える連携体制構築支援事業(さっぽろ子どもの自殺危機対応チーム事業)は、児童生徒の自殺危機に直面した学校からの支援要請について、大学を中心とした専門機関で構成する「連携支援アドバイザリーチーム」が受け付け、実態のヒアリングを経た上で、包括的な支援体制の構築方法などを助言するもの。

 学校単独では解決が困難な課題を教育・医療・保健・福祉等の関係機関が分担して対応できるため、教職員の負担軽減や家庭等の問題を含めた包括的支援体制の構築が期待できる。

 連携支援チームは、札幌医科大学と北海道大学を中心とする2チーム。相談先は学校等の所在地に応じて区ごとに分類し、札幌医科大が中央・東・南・西・手稲、北大が北・白石・厚別・豊平・清田のそれぞれ5区を担当する。

 事業の活用に当たっては、初動対応や医療機関への接続を行うものではないため、留意が必要となる。

 市と両大学は現在、対応の原則などを示すガイドブックの作成を進めており、今後はアドバイザリーチームに従事する精神保健福祉士を確保した上で、札幌医科大、北大、道教委、市教委、札幌こころのセンターの関係者による定例会議を月1回程度開催するとしている。

 試行段階として11月中旬には市教委、道教委を対象に相談受け付けを周知する予定。

 来年1月から各区の校長会に事業説明を行い、年度末にも活用に向けたガイドブックを配布する予定。次年度からの本格運用を目指す。

(札幌市 2024-10-30付)

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