3定札幌市議会決算特別委(28日)(札幌市 2024-10-31付)
◆前年度比2倍 約50人が利用 メタバース活用した不登校児童生徒支援
札幌市教委の喜多山篤児童生徒担当部長は、28日の第3回定例市議会決算特別委員会で、本年度から取り組んでいるメタバースを活用した不登校児童生徒支援について、前年度と比べ2倍程度の50人以上が利用していると明らかにした。
教育支援センター宮の沢で試行しているオンラインコースの取組。
「自分の顔を出さずに個別の支援を受けられることなどから心理的ハードルが下がり、新規利用や継続的な活用につながったのでは」との認識を示した。
現在は、週3日の実施にとどまっているほか、人材の確保など持続可能な支援体制の構築を課題として示し「効果の検証を一層進め、子どもが学びたいと思った時にいつでも学べる環境の充実に向けて取り組んでいく」と述べた。
熊谷誠一委員(公明党)の質問に対する答弁。
◆心の健康観察アプリを活用 悩み等アンケート
喜多山部長は「悩みやいじめに関するアンケート調査」を心の健康観察アプリを活用して実施する考えを示した。
アプリ活用による効果について「回答結果を複数の教職員で速やかに把握できるため、いじめの見逃しや一部の教職員による抱え込みを防ぐことができ、迅速・組織的な対応につながる」と期待。
さらに、ICTを活用するため「準備や集約、回答結果の共有作業などの時間を減らすことができ、教職員が児童生徒と向き合う時間を一層増やすことにつながる」との認識を示した。
今後は「アンケートの実施方法の工夫を図るなど、児童生徒のSOSの見逃しを防ぎ、全ての児童生徒がより安心して学校生活を送れるよう、より良い運営に向けて引き続き取り組んでいく」と述べた。
熊谷委員の質問に対する答弁。
◆中学校54校に合計80人配置 市立中部活動指導員
喜多山部長は、市立中学校における部活動指導員の本年度配置状況を報告した。
市教委は、専門的指導の充実や教員の負担軽減等を目的に市内中学校に部活動指導員を配置している。
喜多山部長は、本年度の状況について、現時点で中学校54校に計80人を配置。内訳は運動部が62人、文化部が18人で、バレーボール、バスケットボール、ソフトテニスなどの種目に配置していると説明した。
今後は部活動の規模や学校ごとの課題等の様々な観点を踏まえ、適切な配置ができるよう、検討を進めていくとともに、継続性を考慮しながら、可能な限り同一校へ配置していく方針を示した。
成田祐樹委員(未来さっぽろ)の質問に対する答弁。
◆学校施設の利用 在り方を検討へ 部活動地域移行
喜多山部長は、部活動の地域移行を踏まえた学校施設の利用の在り方について、検討を進めていく意向を示した。
国が示す部活動地域移行のガイドラインにおいては、部活動の受け皿になり得る地域クラブ活動の活動場所を、地域団体民間事業者等が有する施設だけではなく、学校施設を活用することが示されている。
一方、学校施設については、部活動での利用のほか、市民の自主的なスポーツ、文化芸術活動の促進を目的とした学校開放事業によって、市民からも幅広く活用されている。
地域クラブ活動で活用するための新たな仕組みの導入について、喜多山部長は「多くの関係者の理解と協力のもと、検討が必要」と説明。今後は、部活動指導員のさらなる活用に加え、生徒のニーズに応じた多様なスポーツ、文化芸術に親しむことができる機会の確保に向けた検討を一体的に進めていくとした。
成田委員の質問に対する答弁。
◆7年度は藻岩高既存校舎解体へ市立高再編新設校
池田秀利学校支援担当部長は、市立札幌藻岩高校と市立札幌啓北商業高校の再編統合に関し、次年度のスケジュールを明らかにした。
市教委は両校の再編新設校の整備に当たり、5年度は建物の配置などを定める基本設計に着手。本年度は具体的な整備の内容に関する実施設計を進めている。
池田部長は次年度のスケジュールについて、札幌藻岩高の既存校舎の一部解体工事に着手すると説明した。
三神英彦委員(自由民主党)の質問に対する答弁。
(札幌市 2024-10-31付)
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