札幌市社連 第51回研究大会 地域課題解決に関わる 伏見小3年 市の移り変わり(札幌市 2024-11-05付)
市社連公開授業
札幌市社会科教育連盟(委員長・平澤淳志札幌市立円山小校長)は10月中旬の2日間、市内3小学校で第51回札幌地区社会科教育研究大会を開催した。研究主題「社会とつながり、価値を創造する北国の子の育成」のもと、小学3~6年生の授業公開や研究協議を実施。児童が社会とのつながりに目を向け、地域の一員として課題解決に向けた関わりを考えられる教材づくりや単元構成について理解を深めた。
研究は3ヵ年研究の2年次目。副主題には「見方・考え方を鍛え、確かな社会認識をもとに未来を志向する社会科の学び」を据え、子どもと社会がつながる教材化や単元デザイン、追究意欲をかき立てる問いの設定を通して、社会的な見方・考え方を鍛え、社会的価値を創造する授業の在り方を検討している。
初日に緑丘小学校、新陵東小学校、2日目に伏見小学校で行われた公開授業のうち、伏見小で行われた授業公開は井口奈美教諭が授業者を務め、3年1組の「市のうつりかわり」を指導した。
本時は、市の発展を振り返るとともに、未来への変遷を予測する単元の1時間目。井口教諭は児童が学習の見通しを持てるよう、総合的な学習の時間や1学期の学習で扱った市の公共交通や土地利用などの既習事項を確認した。
学習課題の明確化に向けて、札幌駅の印象を児童に質問。「店がたくさんあって人が集まる」「将来、新幹線が通るから、もっと便利になる」など人々の暮らしや将来のまちづくりを予想する意見を引き出した。
市が発展した経緯を捉えさせるため、大正時代から現在までの札幌駅前通の写真を年代別にデジタルサイネージに投影して比較。児童の「大正期には市電がある」「昭和期に建物が増えた」などの気付きを「土地」「人口」「交通」「自然」に分類して黒板に整理し、時代に伴う変化に着目できるようにした。
駅周辺から市全体に目を向ける場面では、航空写真を使用。児童は「都心部は公共交通が発展して、車の台数も減ったのではないか」「自然は減ったけど、南区など一部の地域には変わらない場所もあると思う」など過去から現在までの市の広がりを予想した。
まとめでは、黒板に分類した児童の意見をもとに「市の様子や人々の暮らしはどのように変わってきたのだろうか」と発問し、児童一人ひとりが着目した視点を机間指導で確認。次時への学習意欲を高めさせた。
(札幌市 2024-11-05付)
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