釧路校長会 第65回研究協 2校長提言発表、研究協議も 「人は宝」 長所生かして 
(関係団体 2024-11-13付)

佐久間勝教校長
佐久間校長

 【釧路発】釧路校長会(田中敏行会長)は1日、釧路町公民館で第65回釧路校長会研究協議会を開いた。管内の小・中・義務教育学校の校長44人が参加。提言発表に基づく研究協議や個人レポートでの発表などを通して、学校経営に関わる組織マネジメントや教師の資質・能力の向上などについて話し合った。

 研究主題は「ふるさと釧路でともに学び、豊かな社会を創る児童生徒の育成を目指す学校教育の推進」。3ヵ年計画の2年目で「組織マネジメント」と「人材育成」を視点に研究を進めてきている。

 開会式で、田中会長があいさつ。新しい時代に対応した明確なビジョンや創意ある取組、組織の活性化を図るためにも、校長の柔軟性のあるリーダーシップが求められることを強調。その上で、教職員や子どもたちをよく観察し、状況を理解し、手だて・方策を決め、組織で動くことの重要性を訴えた。

 来賓として釧路教育局の齊藤栄三次長と釧路管内町村教育委員会連絡協議会長の辻川尚志釧路町教委教育長が祝辞を述べ、研究の成果に期待を寄せた。

 続いて、浜中町立茶内小学校の佐久間勝教校長と厚岸町立厚岸中学校の蠣崎浩一校長が提言。

 学校経営ビジョンの実現に向けた組織づくりや教師の資質・能力の向上を目指し、校長会としての取組やその成果と課題等を発表した。

 佐久間校長は「アセスメントに基づいた経営ビジョンの策定とその具現化における校長の指導力~チーム学校として機能する、多様な人材を生かした組織づくりと働き方改革の推進」と題し、活力ある組織づくりと運営における校長の指導力について、浜中町内各校の取組などを中心に成果と課題について提言した。

 三つの視点①学校経営ビジョンの策定②学力向上③学校力向上―から各校の取組を紹介。①では学校評価を活用した経営ビジョンの策定や子どもたちが描く学校の意識調査の実施などについて実践例を交えながら説明した。②では全国学力・学習状況調査を活用した指導の重点化とカリキュラム・マネジメント、体育科などの授業力向上に向けた取組や調査結果などを示した。③では心理的安全性の確保に向けた取組と教職員の個性を生かした研修テーマのもと、学校力向上の視点から取り組んだ実践を紹介した。

 浜中町校長会として、アセスメントに基づいた経営ビジョンの策定とその具現化における校長の指導力について、学校経営は一人ひとりの総意を束ねたものを構築することが重要であるとし、共通のねらい4点を提示。今後も継続して調査を行うことで、教育実践を確かなものにするだけではなく、不断の学校力向上へのプロセスへとつなげる大切さを訴えた。

 つぎに、蠣崎校長は「教職員個々のキャリアステージに応じた研修の仕組みをつくり、適切に指導助言を行う校長の指導力」と題して提言。厚岸町内各校の取組や成果と今後の課題などについて説明した。

 「個別最適な学びと協働的な学びの一体化を図った校内研修における指導助言」「目的・目標の共有化と取組の充実を図る分掌・学年・学級経営への指導助言」「人事評価シート、キャリアプラン等を活用した研修奨励」「若手教員が前向きに仕事へ向かえるようにする助言」「学校教育活動の中核を担うミドルリーダーの育成」「次代の学校経営を担う教頭の育成」に関する各校の実践を紹介。教職員個々のキャリアステージに応じた研修の仕組みや校長の指導力などについてポイントを絞って解説した。

 これらの実践から「教職員同士の共通理解が図られたことで研修部長としてリーダーシップを発揮した」「的確な指導助言を行うことで部長の自己決定を促し、自己有用感や有能感につながった」などの成果を提示。一方、課題としてミドルリーダーが若手となっているため、年間を通した適切な校長の関わりが求められることなどを指摘した。

 まとめとして「人材=人財」と捉え、「人は宝」という意識で育てるとともに、一人ひとりの長所を生かす・キャリアアップに向かうといった環境は校長がつくることを強調した。

 このあと、各分科会に分かれ、提言発表や個人レポートに基づく協議を実施。豊かな社会を創る児童生徒の育成に向けた学校教育の推進について、活発な意見交流が行われた。

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蠣崎浩一校長
蠣崎校長

(関係団体 2024-11-13付)

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