未来を創る社会科教育 全中社研 第57回道大会 学びに向かう人間性育成へ350人研鑚
(関係団体 2024-11-11付)

全中社研大会
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 第57回全国中学校社会科教育研究大会北海道大会が7日から2日間、ホテルライフォート札幌で開かれた。道内での開催は平成10年度以来26年ぶり。大会主題「未来を創る社会科教育~よりよい社会を実現する資質・能力を育む社会科学習」のもと、全国から中学校社会科教員ら約350人が参集。公開授業や研究協議を通して、学びに向かう人間性などの育成に向けた授業像の確立に向けて研鑚を積んだ。

 全国中学校社会科教育研究会(宮崎宏明会長)、道社会科教育研究会(美田学秀会長)が主催、札幌市社会科教育連盟(平澤淳志委員長)との共催。 開会あいさつで宮崎会長は、現行の学習指導要領全面実施から4年が経過し「授業などの質的向上が一層求められるとともに、次期学習指導要領に向けた様々な提案が期待される」と述べた。

 大会主題にある「よりよい社会」が「持続可能な社会であると捉えている」とし「国の教育振興基本計画のコンセプトに趣旨を同じくするものである」と強調。目指す授業像で掲げられた①自己調整②課題解決③思考の質を高める―に触れ「これこそが学びに向かう力、人間性などに関わる資質・能力を育成するために必要不可欠」などと訴え、大会成果が今後の中学校社会科教育のモデルとして広く活用されることを期待した。

 大会実行委員長を務める美田会長は、本道で全国大会が開催された平成10年当時と現在の文化や社会情勢を比較。小学生がスマートフォンを所持し、学校現場での1人1台端末活用が一般的になっていることに言及し「当時、このような時代が訪れることを誰が予想しただろうか」と指摘した。

 大会主題に触れながら「社会科教育が変化の激しい時代に柔軟に対応しながら、希望に満ちた未来をつくる子どもたちの育成の一助になることを願っている」と述べた。

 来賓祝辞では、文部科学省初等中等教育局の藤野敦視学官、道教委の山本純史学校教育監が登壇した。

 藤野視学官は、公民としての資質・能力の基礎育成を目標とする中学校社会科と、国や地方公共団体が目指す社会の姿が「明確に共有が進みつつあり、社会科学習への期待が一層高まっている」として、大会成果を本道から全国に普及されることを期待した。

 山本学校教育監は、縄文遺跡群や北方領土を巡る問題など、本道の特色を生かした創意工夫ある実践が行われていることを示し「研究協議を通して得られる成果や実践を広く発信し、全国の中学校社会科の授業改善につなげていただきたい」と述べた。

 続いて、北海道大会実行委員会研究部の太田和幸部長、結城拓、大坂聡の両副部長が基調提案。太田部長はSociety5・0やVUCAの時代、科学技術の急速な進展、人口減少社会による社会構造の変化など、変わりゆく世界やわが国、本道を生きる生徒たちに必要な資質・能力を身に付けさせるために「社会科教育には何ができるのか、何をなすべきかについて知恵と実践を交流し、一つ先に進んでいける2日間にしたい」などと呼びかけた。

 このあと、街歩き研究家の和田哲氏が「誰かに話したくなる、北海道・札幌の歴史雑学」をテーマに記念講演した。

 2日目は札幌市内の中学校など6校が公開授業をしたあと、目指す授業像の実現を討議の柱に研究協議した。

(関係団体 2024-11-11付)

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