個々の豊かな可能性追究 第72回道特連研究釧路大会(関係団体 2024-11-15付)
第72回道特連研究釧路大会
【釧路発】第72回道特別支援学級教育研究連盟全道大会釧路大会および全日本特別支援教育研究連盟北海道地区研究集会が7日、釧路町公民館を主会場に、会同とオンラインによるハイブリッド型で開かれた。全道各地から約200人が参加。管内5校の授業動画や分科会提言発表などを通して、今後の授業改善につながるよう研鑚を深めた。
全日本特別支援教育研究連盟(名古屋恒彦理事長)と道特別支援学級教育研究連盟(荻澤吐夢理事長)が主催。研究主題を「未来をたくましく生きる姿を目指して~“身につけさせたい力”を踏まえた授業づくり」と設定した。
開会式では、名古屋理事長があいさつ。「子どもたちには、将来よりも先の未来を見据えた教育が必要。おのおのの資質・能力で社会を切り開き、たくましく生きるために一人ひとりの豊かな可能性を見いだしてほしい」と呼びかけた。
釧路教育局の泉野将司局長が祝辞。「切れ目のない指導・支援の実現を図り、児童生徒一人ひとりの社会的・職業的自立を最大限に伸ばす教育に必要な基盤をつくってほしい」と期待を寄せた。
◆公開授業録画6本 厚岸小全体自立活動
公開授業録画は、白糠町立白糠学園、庶路学園、厚岸町立厚岸小学校、厚岸中学校、標茶町立標茶小学校の5校の計6本。うち厚岸小「全体自立活動~コミュニケーションを通じて」では、様々な場面を設定し、相手の気持ちに寄り添ってどう動くかを実践した。相手を助けることが必ずしも感謝につながるとは限らないことから、どうすれば良かったのか考え「親切の本質は、相手の心に寄り添って行動すること」を学んだ。
参加者は、相手の気持ちを意識して行動したり、活動を振り返って自分の成果や課題に目を向けたりする児童の様子を見て、今後の授業改善につなげた。
助言者の道教育大学釧路校の戸田竜也准教授は「集団での学びを大切にする中でも、子どもたち一人ひとりの目標が異なることを忘れてはならない。課題設定と子ども自身のありたい姿が合っているかを考えてほしい」と述べ、子どもの課題に合わせた指導をするよう示した。
続いて①生活の基礎を育む分科会「食」②生活に活かす力を育む分科会「行きたい」③人間関係を育む分科会「相互理解」④社会にはばたく分科会「夢に向かって」―の四つの研究テーマに分かれて行った。各会の提言者と助言者の講話をもとに情報交換した。
公開授業の授業者・分科会の提言者はつぎのとおり。
▼公開授業
▽白糠学園「“ひらがなかるた”をつくってあそぼう」=下山ゆうき教諭
▽庶路学園「手伝う心」=澤田英実教諭
▽厚岸小「全体自立活動~コミュニケーションを通じて」=梅村聡子教諭、熊谷なおみ教諭、髙橋伸一教諭、秋葉あゆみ教諭、千葉真子教諭
▽厚岸中「厚岸町をPRしよう~修学旅行の取組を通して」=西村真琴教諭、松浦未郁教諭、船岡志行教諭、谷口愛実教諭
▽標茶小「はじめてのれすとらん」=有田由紀子教諭
▽標茶小「相手に伝わりやすいプレゼントをしよう~宿泊研修編」=阿部健太郎教諭
▼分科会
▽生活の基礎を育む分科会「食」=松岡陽子教諭(礼文町船泊中)、上野真美教諭(札幌市幌南小)
▽生活に活かす力を育む分科会「行きたい」=加藤慧教諭(弟子屈町川湯小)、百貫幸映教諭、久保育恵教諭(登別市幌別西小)、鈴木利恵(登別市西陵中)
▽人間関係を育む分科会「相互理解」=安舘祐貴教諭(北見市上常呂中)、磯部祥一郎(札幌市新川中央小)
▽社会にはばたく分科会「夢に向かって」=野口学教諭(雨竜町雨竜中)、岩見恭子教諭(芽室町芽室西小)
(関係団体 2024-11-15付)
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