日本教育会道支部 巡回研究大会 対話通して「納得解」を 町支氏 両利き改革の手法紹介(関係団体 2024-11-20付)
日本教育会北海道支部(前川洋支部長)は9日、全道巡回研究大会空知大会をオンラインで開催した。帝京大学大学院教職研究科准教授の町支大祐氏が講師となり、働き方改革と学びの充実を両立する「両利き改革」の手法を紹介。学校業務の優先順位の可視化や、データに基づく対話を通して教員同士の「納得解」を得るポイントを説いた。
全道巡回研究大会は、会員の研修機会の充実と本道の広域性を踏まえ、令和元年度から札幌市以外の場所を会場に、全国的に著名な講師を招いて年1回実施している。
旭川市小学校長会、旭川市中学校長会との共催で開催し、約110人が参加した。
開会に当たり前川支部長は、組織開発や働き方改革の研究に長く取り組んでいる町支氏を紹介し、学校組織における働き方改革の意思決定や子どもたちの学びの充実に向けた多くの示唆へとつながるよう期待した。
続いて町支氏が働き方改革と質の高い学びを両立させる手法の一つとして「両利き改革」を紹介。「教育効果」「働き方改革」の高低に応じて校内活動の優先順位をマッピング(分類)して可視化する手法を示した。
客観的評価がしやすい働き方改革と異なり、教育効果に関しては教員の信念・経験によって捉え方が大きく異なるとし、教員間で共通認識を持って取組を進める「サーベイ・フィードバック」の手法も紹介。教員間の対話による意識合わせやキーパーソンを巻き込む仕掛けづくり、アンケートシステムによる「見える化」の重要性を伝えた。
学校の現状を把握する客観的データの必要性も強調。「データは自分たちを移す鏡であり、対話のスタート地点。データを用いた捉えこそが対話の土台になり、全員の“納得解”に近づくことができる」と述べた。
講義は参加者とのグループワークを交えて進行。提示されたデータに基づき優先順位を考えたほか、他校の課題・実践を交流した。
参加者からは「矛盾すると考えられがちな働き方改革と教育の質の充実の実践方法を学ぶことができた」「課題を“見える化”して示すことで意識が高まって対話の質を高め、前向きなアクションに結び付いていくと感じた」などと多くのヒントを得ている様子だった。
(関係団体 2024-11-20付)
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