札幌市中学校長会 全体研修会 各部の研究「充実」へ 校種間・家庭・地域連携等(関係団体 2024-11-22付)
札幌市中学校長会(秀島起也会長)は20日、ホテルライフォート札幌で6年度全体研修会を開催した。研究主題「新たな価値を見出し、持続可能な社会を創る力を育む札幌市中学校教育」のもと、7部が2年目の研究成果を発表し、研究の「充実」を図った。
同会は、5年度から研究基本主題を「新たな価値を見出し、持続可能な社会を創る力を育む札幌市中学校教育」と設定し、3ヵ年継続研究に取り組んでいる。
2年次目に当たる本年度は、各部の研究の「充実」を図る年。研究成果が学校経営に資するものになることを目指す。
開会に当たり秀島会長は、ウェルビーイングの実現に向けて「自ら主体的に目標を設定し、振り返りながら責任ある行動が取れる力を身に付ける重要性」を説き「私たちもきょう1日、主体的に目標を立て、振り返りながら参加できれば」と述べた。
来賓あいさつに立った市教委の佐藤圭一学校教育部長は、さっぽろっ子自治的な活動、札幌らしいコミュニティ・スクールなど「子どもの声を聴く」活動に触れた上で「これからの学校は子どもと社会をつなぐ窓口になり、主体的に社会に参画する子どもを育んでいく重要な役割がある」と強調。同会の研究基本主題とも軌を一にしていると捉え、充実した研修会になることを期待した。
研究部、管理部、施設部、指導部、保健体育部、進路指導部、特別支援教育部の7部が研究成果を発表した。
うち研究部は「校種間・家庭・地域との連携~校種間を越えてつながり、家庭・地域とともにある教育課程を目指して」をテーマとした研究について、手稲東中学校の安藤直美校長が発表した。
前年度、研究部員を対象に実施したアンケート調査の結果、未来を生きる子どもたちが身に付けるべきスキルとして「協調性や協働性」「コミュニケーションスキル」「課題解決能力」が重要と研究をまとめた。それを踏まえ、小中一貫した教育、中高連携に焦点を当て追加調査を行った。
小中一貫した教育については、パートナー校と連携して育成しているスキルは「コミュニケーションスキル」と回答した学校が最多だったと紹介。あいさつ運動、発達段階を踏まえた「聞く・話す」力の指導などの実践が寄せられたという。
次いで多かったのは「課題解決能力」。グランドデザインに課題探究的な学習の推進を明確に位置付け、9年間を見通した学びの体制づくりを進めているといった実践を示した。
中高連携については、回答の一つにあった「高校生が総合的な探究の時間の成果を中学生にプレゼンテーションする」という実践について「双方の生徒の学びにつながる取組と言える」と評価。「小中一貫した教育で育まれた資質・能力を高校にもつなげていくため、中高連携した取組は中学校の教育課程に位置付ける価値がある」と強調した。
最後に「子どもたちに求められている力が培われるような教育課程の編成となるよう、校長がリーダーシップを発揮し、カリキュラム・マネジメントを進めていくことが必要」などとまとめた。
各部の発表後、グループ研修を実施し、活発に意見を交わした。
(関係団体 2024-11-22付)
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