６年度札幌市特別支援教育振興審　インクルーシブ教育　システム構築へ　現状報告や意見交換など

（関係団体 2024-11-26付）

特別支援教育振興審議会インクルーシブ教育

　６年度札幌市特別支援教育振興審議会が１５日、市内のちえりあで開かれた。市内における特別支援教育の状況、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組などについて市教委担当者が報告した。

　開会あいさつに立った市教委の山根直樹教育長は、特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室に通う児童生徒数が増加傾向にあることに触れた。

　こうした中、ことし３月に策定した第２次教育振興基本計画における基本的方向性の一つに「一人一人が自他のよさや可能性を認め合える学びの推進」を掲げ、特別支援学級の設置など教育環境の整備、医療的ケア児のための看護師配置事業、学びのサポーターや介助アシスタントの配置などの施策を進めていることを紹介。

　委員に対し「今後のより良いインクルーシブ教育システムの在り方について忌憚のない意見を」と呼びかけた。

　続いて、市教委担当者が市の特別支援教育の状況について説明。市立特別支援学校の特色ある教育活動、市教委が進める各種事業の概要などを示した。

　特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応に当たる学びのサポーター、介助アシスタントについて、５年度は小学校１９８校、中学校９８校、高校等１校で活用されたと報告した。

　特別支援学級は、６年度に小学校５校、中学校６校に新設したことによって、小学校で９８％の１９５校、中学校で９６％の９４校に開設されていると説明。また、難聴・肢体不自由・病弱の特別支援学級を担当する教諭を対象に意見交流会や連絡協議会を開催し、専門性向上を図ったことなどを伝えた。

　このあと、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組について協議した。

　市教委は、第２次教育振興基本計画に基づき、特別支援学校に在籍する児童生徒と地域の小・中学校の児童生徒による交流および共同学習、多様で柔軟な仕組みの整備、連続性のある多様な学びの場の用意などに取り組んでいることを紹介。

　これについて委員からは「地域との交流は、からかわれるなどしてかえって子どもが傷ついてしまう場合がある」「特別支援教育コーディネーターの質の均一化を」などの意見が上がった。

(関係団体 2024-11-26付)