端末環境で 指導と評価一体化 道教大附属函館中 研究大会
(学校 2024-11-14付)

附属函館中研究大会

 【函館発】道教育大学附属函館中学校(小林真二校長)は1日、6年度教育研究大会をオンラインで開催した。各教科の研究紀要や動画資料を事前に公開し、当日は外部講師の講演や授業別分科会を実施。英語科授業では、自ら学習を調整する力の育成に向けて、学習の形態や方略を自己選択・自己決定する環境整備に重点を置いた実践を紹介した。

 研究主題は「1人1台端末環境における指導と評価の一体化の実現」で、4年度から「CBTを活用した学習評価の在り方」「学習履歴の活用による学びの改善」を中心に研究を進め、生徒自身がより良い学習改善を行うために主体的に学習に向かう力を高める必要性を実感。

 本年度は「自ら学習を調整しながらねばり強く学習に取り組む態度の育成」を副主題に据えて、学校生活および各教科学習の中で、生徒の自己決定や計画・実行・振り返りのプロセスを重んじた取組を進めている。

 研究大会開催に当たっては、国語科、社会科、数学科、英語科、総合的な学習の時間の研究紀要や動画資料を公開。当日は、大妻女子大学家政学部児童学科の樺山敏郎教授による講演、授業別分科会などを実施した。

◆複線型で英語科学習調整力育成

 英語科授業においては、個別最適な学びと協働的な学びの一体化を充実させる複線型授業の実践を紹介。自ら学習を調整する力の育成に向けて、多様な学習の進め方を生徒自らが自己選択・自己決定できる環境を整え、学習目標の達成に向けて生徒一人ひとりが自己調整する姿を、資料や動画、発表を通して伝えた。

 佐々木ちひろ教諭による2年生英語科の授業では、生徒自身が学習計画と振り返りをワークシートにまとめて端末で共有。単元の導入時には、単元全体の達成目標、目標達成度の確認に向けた言語活動、最終のパフォーマンステストを提示し、学習の見通しを立てている。

 授業中の学習形態は「個人」「ペア・グループ」「教員」の3種類から選択できる環境を整備。学習形態に応じて座席配置を前方後方に分けるなど、学習空間も工夫。教員との対話を望む生徒には、授業の目標達成に向けて必要な学習方略を提案しながら支援し、選択者間で協働する姿も見られた。

 複線型授業の実践によって「生徒は個々の学習内容に対して内省することができ、生徒自身に合った学習形態や学習方略を見つけようと考え、自己を認識することができる」などの成果があった。

 一方で「協働して学習を進めた方が学習効果の高い領域もある」「本時と次時の学習内容を振り返り、学習計画をその都度調整するための時間が必要」などの課題も上がった。

(学校 2024-11-14付)

その他の記事( 学校)

コーディネーター活用状況等交流 活動の幅拡大で成果 札幌市立高・特校長会

 札幌市立高校・特別支援学校長会(矢田春義会長)は10月29日、市立札幌藻岩高校で第8回研究協議会を開催した。本年度から各学校に配置された高校と地域をつなぐコーディネーターの活用状況などを交...

(2024-11-14)  全て読む

札幌篠路西小 創立50周年式典 ふるさととなる学びや つぎの歴史へ新たな一歩

 札幌市立篠路西小学校(伊藤文雄校長)は10月31日、同校で創立50周年式典を開いた。全校児童と教職員、来賓を含め約700人が参加。児童一人ひとりの「ふるさと」となる学びやとして、つぎの50...

(2024-11-14)  全て読む

ものづくり大会敢闘賞で道教委表敬 さらなる高みへ研鑚を 札幌国際情報高 中澤さん、苫工高・小丸さん

 札幌国際情報高校(俵谷俊彦校長)理数工学科2年の中澤忍さんと苫小牧工業高校(小山彰博校長)電子機械科2年の小丸佑貴さんは6日、道教委を訪れ、中島俊明教育長に第19回若年者ものづくり競技大会...

(2024-11-12)  全て読む

全国障害者スポ大会出場3人報告会 在校生に 応援ありがとう 経験糧に学校生活充実を 札幌高養

札幌高等養護スポ大報告会  10月に滋賀県で開催された第23回全国障害者スポーツ大会「SAGA2024」に出場した札幌高等養護学校(奥田雅紀校長)の生徒3人が1日、同校体育館での報告会に臨み「応援してくれてありがとう...

(2024-11-12)  全て読む

市立函館高 授業で生成AI活用 授業準備が効率的に チャットGPTで英作文添削

市立函館高校・授業風景  【函館発】生成AIの教育現場での利活用が模索される中、市立函館高校(花松均校長)は、生成AIの指示文作成における補助ツールを導入し、授業等で試行している。英語科では、教員が英作文の添削にチ...

(2024-11-11)  全て読む

札幌新琴似西小 実践発表会 考え伝え合い 良さ実感 1年国語 人物の行動動作化

 札幌市立新琴似西小学校(八田博之校長)は10月30日、同校で教育実践発表会を開いた。研究主題「自他を大切にする人間の育成」のもと、国語科、算数科の5授業を公開。1年生国語科では、物語に登場...

(2024-11-11)  全て読む

札幌陵陽中 キャリア講演会 失敗経験を成長の糧に 札工高・諸橋校長が来校

陵陽中キャリア講演会  札幌市立陵陽中学校(石井貴司校長)は10月28日、3年生120人を対象にキャリア講演会を行った。札幌工業高校の諸橋宏明校長が来校し、進学・就職に向けた心構えや工業高校の魅力を説明。生徒はテ...

(2024-11-11)  全て読む

帯農高 開発実証指定受け講座 スマート林業導入へ オペレータ教育やUAV実習

 【帯広発】全国林業改良普及協会のスマート林業教育推進事業「地域協働型スマート林業教育プログラムの開発実証」の指定を受けている帯広農業高校(佐藤裕二校長)の森林科学科は、スマート林業講座を実...

(2024-11-07)  全て読む

感謝込めスイーツ提供 稚内養護に山本建設 砂詰めペットボトル製作協力で

【稚内発】稚内養護学校(岩佐延寿校長)は10月29日、山本建設㈱(稚内、大森薫社長)からスイーツなどの提供を受けた。同社が高等部生徒に委託した砂詰めペットボトルの製作協力に対するもの。市内...

(2024-11-05)  全て読む

クラウドファンディングに協力を 生徒をパリサミットに 未来のカリキュラムへ提言 富 川 高

 【苫小牧発】富川高校(尾崎慎一校長)が、フランス・パリのOECD本部で開かれる「Education 2030プロジェクト∞(無限大)生徒教師サミット」への参加を目指し、クラウドファンディン...

(2024-11-05)  全て読む