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校長室から―未来育む札幌の学校―　将来に生きるスキルを身に付ける　市立札幌開成中等教育学校
（札幌市 2024-11-27付）

宮田佳幸校長

▼生徒の成長に向けて

　本校は平成２７年に開校し、本年度１０年目という節目を迎えました。これまで本校で６年間の学びを終え卒業した学年も四つになりました。

　本校は国際バカロレア（以下「ＩＢ」という）の教育プログラムを活用し、課題探究的な学習を全授業で実施しており、その学びは知識偏重ではなく、将来に生きるスキルの獲得を中心に据え学びを進めております。また、ＩＢだけではなく、文部科学省から指定を受けているスーパーサイエンスハイスクールに関わる取組についても行っており、双方が相まって生徒の成長を促しております。

▼授業づくりの工夫

　１年から４年までは全員ＭＹＰ（ミドル・イヤー・ブログラム）というＩＢのプログラムを行っております。この学びを経て、５年からは希望者に対してＤＰ（ディプロマ・プログラム）を提供しており、ＤＰ選択者以外の生徒は課題探究学習を中心に学びを進める本校独自のＩＰ（インクワイアリー・プログラム）に進みます。

　授業の主体は生徒であり、どのプログラムも、教員による板書を中心とした授業ではなく、生徒の話し合いを中心とした授業が行われています。この中で、生徒たちは、課題を解決するためにはどのような話し合いが必要かということなど、様々なことを学んでいきます。

▼教職員への思い

　本校は公立の学校であるため、通常の人事異動によって本校に着任しますが、新しく着任した教職員には、これまで経験し身に付けた教育観や指導方法などを土台として、新たな考え方を構築していただいております。そして、校内外の研修などを通して、ＩＢの使命や理念、指導方法などを学び、生徒だけではなく、教職員もスキルを身に付けるべく、一学習者として学ぶという姿勢を大切にしています。

　公立校であるため在籍期間は短いですが、教職員として様々なスキルを身に付けることはもちろん、人としての在り方、生き方についても考えてほしいと願っています。

▼校長としての思い

　未来の日本や世界で活躍するのは、まさしく現在の若者です。彼らが年齢を重ねていった時に、様々な考えを持つ人たちと議論を重ね、より良い社会をつくっていけるように今の教育があり、学校の教育活動があると考えます。

　学校の役割は、生徒をつぎのステージに送り出すことだけではなく、彼らのその後の様々な経験の中でたくましく生きていける力を培うことではないかと思います。学校の教育力が表れるのは、１０年後、２０年後、３０年後になるかもしれません。目先の結果だけを追うのではなく、その先に続く様々なことを考えながら、きょうも学校で授業が行われています。