道議会質疑 予算特別委員会(10月1日) Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand
(道議会 2024-12-13付)

【質問者】

▼平出陽子委員(民主・道民連合)

▼鶴羽芳代子委員(自民党・道民会議)

【答弁者】

▼山本純史学校教育監

▼伊藤伸一学校教育局長

▼齊藤順二生徒指導・学校安全担当局長

▼山﨑貴之法制・公務管理担当課長

▼髙田安利高校教育課長

▼中嶋英樹特別支援教育課長

▼国安隆健康・体育課長

▼長居成好部活動改革推進課長

◆インクルーシブ教育

Q平出委員 インクルーシブ教育の実現のため、道教委はどのような支援をしてきたのか、伺う。

A中嶋特別支援教育課長 各学校への支援について。道教委では、各小・中学校や高校において、障がいのある子どもと障がいのない子どもが可能な限り同じ場で共に学ぶことができる環境を整備するため、これまで、特別支援学校の教員をパートナー・ティーチャーとして小・中学校等に派遣し、特別支援教育に関する校内研修や個別の指導計画の作成についての助言などを行ってきた。

 また、教育局ごとに、指導主事や特別支援教育の専門性の高い教員等で構成する専門家チームを組織し、各小・中学校や高校を巡回して、障がいのある子どもの実態把握や支援方法などに関する指導や助言を行ってきた。

Q平出委員 道教委は、市町村教委に対して、いつ、どのような会議で、保護者の希望に沿うようにと指導してきたのか、伺う。

A中嶋特別支援教育課長 就学について。道教委では、ことし7月から8月にかけて、道内全ての市町村教委の職員等を参加対象とした就学事務担当者等研修会を実施し、この中で、保護者に対し、早期から学びの場の特徴や就学の手続などについて分かりやすく伝えること、就学先の決定に際して、保護者の意向を可能な限り尊重することなどを説明してきた。

 また、小学校への入学を控えた特別な教育的支援を必要とする幼児の保護者等を対象として、就学に関する制度や仕組みなどについての就学説明会を開催するとともに、オンデマンドでも配信しており、この中で、多様な学びにおけるそれぞれの学習内容と就学先決定の過程、さらに、学びの場の柔軟な見直しが可能であることなどを説明している。

Q平出委員 普通学校に入学しても、いろいろな理由をつけて特別支援学校に転校させようとしていたことについて、第三者会議体で調査され、5月末に、不適切な行為であったと強く指摘された。今、どのような状況になっているのかについて、保護者との合意もあったのかどうかということも含めて伺う。

A山﨑法制・公務管理担当課長 教職員の処分について。道教委では、学校や市町村教委から提出された事故報告書の内容を精査するほか、事故を起こした教職員から事情聴取するなどして、処分を決定した上で、事案の内容に応じて処分の量定等を公表している。

 本件についても、現在、第三者会議体が公表した調査報告書のほか、当該事故を起こすことになった動機や事故当時の校内体制など、事実関係を詳細に調査しているところであり、確認ができ次第、できるだけ速やかに処分を行う考えである。

 なお、懲戒処分等を行うに当たって、処分の時期や量定等について、被害者等と相談するような対応は行っていないところである。

Q平出委員 今の研修、そして、これからの研修について伺う。

A髙田高校教育課長 研修の内容について。道教委が、各道立高校に対し、全ての教員を対象として、調査報告書を活用した校内研修を実施するよう通知したことを受けて、ある高校では、合理的配慮の決定プロセスの基本事項を理解するための研修、また、別の高校では、今回の事例について、教員同士でグループ協議を行い理解を深める研修、その他の高校でも、特別支援教育の専門的な知識を有する人材を講師とした研修、障がいのある生徒への支援のポイントを学ぶ研修、指導主事を講師として生徒の学習評価について学ぶ研修などを実施しており、各学校において、それぞれの実情等に応じて工夫しながら校内研修を行っている。

Q平出委員 実態がよく分かる人たちが講師になるべきだと思っている。それについて伺う。

A髙田高校教育課長 研修の在り方について。各学校では、管理職を含めた教員一人ひとりのインクルーシブ教育に関する意識の向上を図るため、校内の教職員のみで研修を行うのではなく、障がいに関する専門的な知見を有する外部講師等を招き、支援を必要とする生徒に対する適切な対応について学ぶ研修を行っている。

 また、道教委では、今後、全ての道立高校の教員が参加やオンライン視聴することができる各教科等教育課程研究協議会を11月に開催し、教員一人ひとりが、個別の指導計画の作成、活用について理解を深めるための協議等を行うこととしている。

Q平出委員 特別支援学校のインクルーシブ教育システムの構築について伺う。

A山本学校教育監 インクルーシブ教育システムについて。インクルーシブ教育システムは、多様な学びの場を整備しつつ、どの場であっても障がいのある子どもとない子どもが可能な限り共に学ぶ環境を整えるものであり、障がいのある子どものみが在籍している特別支援学校においては、小・中学校等との交流および共同学習を活用してその環境づくりに取り組んでいる。

 今後は、各特別支援学校と連携し、従来から実施している学校や学年など集団を単位とした交流および共同学習にとどまらず、子どもの個別のニーズに合わせた学習活動の実施や、オンラインを活用した日常的な交流を行うことなどを検討することとしており、引き続き、一人ひとりの教育的ニーズに応じたインクルーシブ教育システムの充実が図られるよう取り組んでいく。

Q平出委員 教育長から、しょうがいのある子どもたちに対して、未来に生きる子どもたちへの言葉をお願いする。

A中島教育長 共生社会の実現に向けた取組について。共生社会の実現に向けては、誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会を目指すことが重要であり、学校教育は、障がいのある子どもの自立と社会参加を目指した取組を含め、共生社会の形成に向け重要な役割を担っている。

 道教委としては、障がいのある子どもとない子どもができるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきであり、それぞれの子どもが、授業の内容が分かり、学習活動に参加している実感、達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていけるかどうかを本質的な視点とした共生社会の形成に向けた特別支援教育の推進についての基本的な考え方を、学校教育関係者をはじめ、全ての子どもたちと保護者が共有することができるよう、組織的な支援体制のさらなる充実に向けた取組を推進していく。

◆学校の安全対策

Q鶴羽委員 道内の公立小・中・高校の水泳授業における実技の実施状況について、実施している割合はどのようになっているのか、自校のプールなのか、校外の施設なのか、実施場所も含めて伺う。

 また、水泳授業において実技を実施する場合にはどのような点に留意しているのか、併せて伺う。

A国安健康・体育課長 水泳授業の実施状況等について。水泳授業は、児童生徒が水に親しみ、自らを守る方法を身に付けるために実施しているが、前年度、授業において水泳の実技を実施した公立学校の割合は、札幌市を除き、必修の小学校99・3%、中学校31・4%、選択の高校9・7%となっており、実技を実施していない学校では、事故防止の心得などについて指導している。

 また、自校のプールを使用している割合は、小学校20・6%、中学校6・1%、高校85%となっており、それ以外の学校は、市町村や民間や他校のプールを使用している。

 水泳の実技は、その特性上、事故等が発生する危険性が大きいことから、道教委では、実施時の留意事項として、監視の位置やポイントなどの十分な確認、対象学年や体格、泳力などに応じた無理のない水位設定、AEDの設置場所の確実な把握、児童生徒の状況に応じたちゅうちょのないAEDの使用などを、毎年度、水泳シーズン前に周知しているところである。

P鶴羽委員 留意事項について、4点は文部科学省のプールの安全標準指針だと思うが、実際、状況が学校に応じて違ってくるので、統一したものに加えて、それぞれの学校に応じて手引などを作成することが必要であると指摘する。

Q鶴羽委員 道教委では、AEDの使用を含む心肺蘇生や応急手当てについて、これまでどのような指導や取組を行ってきたのか、伺う。

A齊藤生徒指導・学校安全担当局長 事故発生への対応について。学校の管理下において児童生徒の安全に関する事故等が発生した場合、教職員等は、児童生徒の生命と健康を最優先事項とし、迅速かつ適切な対応を行うことが必要であり、道教委では、各市町村教委や学校に対し、状況の把握や症状の確認、通報など、機動的に対応できる体制を整備しておくこと、教職員が一次救命処置の方法や心構えについて理解を深め、習熟していくことなどについて指導している。

 また、各学校においては、いざというときにちゅうちょせず蘇生措置の対応ができるよう、AEDの使用を含む応急手当てについての実技など、実践的な校内研修を実施している。

Q鶴羽委員 道内の公立学校のうち、教職員を対象としたAEDの使用を含む応急手当ての実習を行っている学校数と実施率について、最新の調査結果を伺う。

A齊藤生徒指導・学校安全担当局長 応急手当ての実習について。文科省の調査によると、3年度において、教職員を対象としたAEDの使用を含む応急手当ての実習を行っている学校等は、道内全ての公立幼稚園および公立学校1862校のうち、1453校、割合として78%となっている。

 なお、コロナ禍前に実施された平成30年度の調査では、1967校のうち、1870校、95・1%であった。

P鶴羽委員 調査は3年置きと伺っている。本年度が調査の年であり、結果を見ていきたい。これは100%でなければいけないと思うので、ぜひよろしくお願いする。

Q鶴羽委員 今後も学校の敷地内などで子どもたちが心肺停止になるような事態が起きた際、教職員がAEDを使用するなどの心肺蘇生や応急手当てを迅速かつ適切に実施できるよう、日頃からの備えが欠かせない。

 道教委としては、今後、児童生徒の安全を守るため、どのように取り組んでいくのか、伺う。

A山本学校教育監 今後の取組について。児童生徒の安全に関する事故等に遭遇した場合、教職員は、救急要請することに加え、救急隊到着までの間、適切な応急手当てやAEDの使用を行うことが重要であり、道教委では、このたびの事案を受けて、安全管理の徹底や心肺蘇生や応急手当てについての研修を定期的に実施することや、ためらうことなくAEDを使用することなど、事故発生時に備えた学校体制を確立するようあらためて通知したところである。

 AEDは、併設されている病院での設置も含めて道内全ての公立学校に設置をされており、道教委としては、今後、各学校に対し、心肺蘇生等に関する校内研修の確実な実施に加え、AEDの点検など適切な管理や、全教職員の応急手当ての手順と技能の習得についてあらためて指導するなどして、学校における安全対策の一層の充実に向けた取組を進めていく。

P鶴羽委員 道内のプールでの事案で、実際にAEDを使用したのは外部の指導員だったと伺っている。教員以外の指導者との連携、監視体制の強化ということが非常に重要になってくるので、引き続きよろしくお願いする。

◆教員の資質向上

Q鶴羽委員 大学での養成段階について、国においても、教員としての資質・能力を継続的に高めるためには、養成段階からの育成が重要との考え方が示されているところである。

 道教委では、道内の教員養成段階での育成について、大学の教員養成カリキュラムの改善に向けてどのように取り組んでいるのか、伺う。

A伊藤学校教育局長 養成段階での取組について。国では、教員を養成する大学等に対し、教職課程を設置する大学等においては、関係する任命権者が定める教員育成指標を十分に踏まえることと示しており、道教委では、教員の養成、採用、研修の一体的な改革の一環として、道内の教職課程を設置する大学に対し、道教委職員による出前講座や、大学や市町村教委、校長会等で構成する北海道教員育成協議会などにおいて、道教委が定めた教員育成指標の趣旨はもとより、育成指標に示した教員像や資質・能力について説明するなど、大学における教員養成カリキュラムの改善を働きかけており、教育実習の分割・分散化など、実施方法の工夫が図られている。

Q鶴羽委員 これまでの教員免許更新制は、昨年4月から新たな研修制度へと発展的に解消されたと承知している。

 新しい研修制度の狙いや制度の概要について伺う。

A伊藤学校教育局長 新たな研修制度について。教員免許を10年ごとに更新する制度が廃止になったことに伴い、5年度からスタートした新たな研修制度は、教員が学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに受け止め、主体性を発揮しながら、個別最適な学びや協働的な学びによりって、教職生涯を通じて学び続けるといった、新たな教師の学びを実現することを狙いとしている。

 具体的な取組としては、教員が計画的に研修を進めるための研修履歴の作成や、校長が教員と対話をしながら受講を勧める取組を通じて、一人ひとりが自らにふさわしいと判断した研修等に参加することなどによって、教員の指導力を高めていくものである。

Q鶴羽委員 新たな研修制度では、管理職養成指標や教員育成指標に基づいて研修履歴を活用した面談等を通じた研修の充実が求められるが、道教委ではどのように取り組んでいるのか、伺う。

 また、8月には関係者による育成協議会が開催されているが、どのような意見が出され、今後の取組にどのように反映していく考えなのか、伺う。

A伊藤学校教育局長 これまでの取組などについて。道教委では、教員一人ひとりの資質・能力の向上を図るため、ことし4月から、全ての教員が、国や道教委等の研修コンテンツを視聴でき、研修履歴作成も行うことができる国の全国教員研修プラットフォームの周知および活用促進に取り組んでおり、各学校においては、教員それぞれに必要な研修について、校長との対話に基づく受講奨励を行うなどして研修の充実に努めてきたところである。

 また、ことし8月に開催した教員育成協議会においては、教員の経験年数や専門性に応じた資質・能力をどのように高めるか、研修を困難にしている多忙や教員不足をどのように解決するか、全国教員研修プラットフォームをどのように活用していくかなどについて意見が出されたところであり、道教委としては、こうした意見を踏まえ、4年度に作成した「対話に基づく受講奨励の手引」について、プラットフォームの効果的な活用の記載などの必要な見直しを行い、各学校に提供し、活用促進を図っていく。

Q鶴羽委員 研修の充実や教育課題に関する研究に取り組んでいるが、新たな研修制度のもとでは、道立教育研究所はどのような役割を果たしており、どのような取組を進めているのか、伺う。

A伊藤学校教育局長 道立教育研究所の役割などについて。教育研究所は、本道教育の質的向上を目標として、教育関係職員の資質・能力の向上に必要な各種研修を実施する役割を有しているが、新たな研修制度の趣旨のもと、これまで以上に、教員一人ひとりの資質・能力やニーズに対応するため、教育課題に応じた多様な研修を提供することが求められている。

 こうしたことから、例えば、学校管理職の資質・能力を育成するため、北海道教育大学と連携した研修を前年度から実施しているほか、初任段階教員の研修プログラムの開発や、新たな教師の学びを目指す校内研修に関する調査研究を進め、その成果を広く発信するなど、教員の多様な学びを創造する研究、研修の中核的な機関としての役割を担っていけるよう取り組んでいるところである。

Q鶴羽委員 学校現場では、新たな研修制度への理解が進む一方で、面談や研修に参加する時間や機会が不足するといった課題も見られると聞いており、より効果的で効率的に行われるよう検証しながら改善していくことが必要と考える。

 道教委は、新たな研修制度を活用し、本道の教職員一人ひとりの資質・能力の向上に向け、今後どのように取組を推進していくのか、伺う。

A山本学校教育監 今後の取組について。新たな研修制度のもとでは、教員一人ひとりが変化の激しい時代に対応しながら主体的に学び続け、資質・能力を着実に身に付けることができる研修体制を構築することが重要である。

 こうしたことから、道教委では、校内研修の状況などを把握するため、全ての管理職や教員を対象として年内にアンケート調査を実施することとし、その結果を次年度の北海道教職員研修計画の改定に生かすとともに、校長による受講奨励の充実や全国教員研修プラットフォームの活用促進、校務DXを通じた研修を受けやすい環境づくりに努めるほか、大学や市町村教委、校長会等との連携を一層強め、教員のニーズや専門性等に対応した研修の改善充実を図るなど、教員の声も踏まえ、資質・能力の向上に取り組んでいく。

◆部活動地域移行

Q鶴羽委員 第1回定例会の予算特別委員会では、市町村の取組について、住民等への説明は81市町村で実施、また、協議会は99市町村で設置しているといった答弁があった。

 本年度の市町村における取組状況について伺う。

A長居部活動改革推進課長 部活動の地域移行に関する市町村の取組状況について。ことし8月末現在で、市町村が開催する学校、保護者、地域住民や関係団体向けの説明会が、昨年12月時点と比較し、34増の115市町村で実施されており、また、教育委員会やスポーツ・文化芸術団体、学校、保護者等で構成する協議会は、昨年12月時点と比較し、39増の138市町村で設置されている。

 さらに、休日の部活動を学校から地元の総合型地域スポーツクラブや少年団等の地域クラブに移行した自治体は、昨年12月時点と比較し、23増の71市町村となっており、着実に進んでいる。

Q鶴羽委員 道教委では、指導者確保に向けて人材バンクを設置しているが、現在の登録者数について、管内別、種目別を含めた状況や、その活用実績を伺うとともに、さらなる充実のため、今後どのように取り組むのか、伺う。

A長居部活動改革推進課長 指導者の確保について。部活動の指導者について、道教委が人材を登録し周知する「ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンク」には、ことし9月末現在で延べ695人の登録があり、管内別の状況は、石狩管内の登録が233人、空知管内が61人、渡島管内が53人、宗谷管内が13人、根室管内が13人、檜山管内が12人などの登録となっており、種目別では、吹奏楽が96人、野球が82人、サッカーが60人、バスケットボールが60人など、66の種目で登録がある。

 また、活用実績については、9月末現在で、サッカー、バスケットボール、バレーボールなど11種目で26人が実際に指導を行うなどの実績がある。

 今後は、サポーターバンクのさらなる活用に向け、市町村教委や学校へ積極的に働きかけを行うほか、地域にとってより活用しやすい仕組みとなるよう、全道に2888社ある家庭教育サポート企業や道スポーツ協会にも協力をお願いし、サポーターバンクの登録者や活用実績の拡大に向けて、取り組んでいく。

P鶴羽委員 管内によって登録に差が見られることから、少ない管内へどう働きかけていくのか、また、地域事情があるので、登録者数をただ増やせばいいというものではなく、何人必要なのか、それに応じて目標はどうなのか、そういったことまで見ていただきたい。また、登録したあとの活用についても広がっていくよう、さらなる取組をよろしくお願いする。

Q鶴羽委員 第1回定例会では、財源の確保等に関する質問に対し、地域クラブが民間企業等から支援などを受けられる新たな体制の構築を進める旨の答弁があった。これまでどのように取り組んできており、今後どのように取組を進めていくのか、伺う。

A伊藤学校教育局長 企業からの支援について。道教委では、本年度、国の事業を活用し、民間企業等からの寄付や人的支援などが受けられる体制の構築を進めており、ことし8月には、安平町において、道教委と連携協定を締結している大塚製薬〓の協力によって、道内で初めて、部活動の地域移行の受け皿となっている総合型地域スポーツクラブに対し、自動販売機の売り上げの一部を寄付する取組を始めたところである。

 今後は、こうした取組を含め、地域の理解や賛同のもと、企業等からの支援の拡大が図られるよう、現行の取組を積極的にPRするなどして、部活動の地域移行への支援の充実に取り組んでいく。

Q鶴羽委員 特に、広域で小規模な市町村が多い道内では、単独での取組が困難なことから、近隣市町村との連携が有効な手法ではあるが、一方では課題もあると考えられる。

 近隣市町村との連携に関し、道内の取組状況について伺うとともに、道教委では、今後その促進に向けてどのように取り組むのか、伺う。

A伊藤学校教育局長 近隣市町村との連携について。自治体単独では運営団体、実施主体の整備等が困難な場合に、生徒の移動手段を確保するなどしながら、近隣の市町村と連携することは有効である。

 ことし8月末現在、道内においては、43の市町村が連携に向けた検討を行っており、道教委では、教育局のサポートチームが地域の実情に応じた助言を行うほか、国の事業を活用し、沼田町、深川市、妹背牛町、秩父別町、雨竜町、北竜町の1市5町による広域連携に向けた協議会において、自治体間の合意形成に向けた支援を行っている。

 今後は、地域間の協議に教育局のサポートチームが積極的に参画するとともに、市町村教委やスポーツ関係団体等を対象に、広域連携に移行するためのノウハウに関するセミナーを年内を目途に開催するなどして、近隣市町村の連携促進に向け、取り組んでいく。

Q鶴羽委員 道教委は、これまでの取組状況や、指導者や財源の確保、市町村との連携といった課題を踏まえ、部活動の地域移行の推進に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、伺う。

A山本学校教育監 今後の取組について。少子化に伴い、部活動数が減少する中、部活動の地域移行に向けて、地域の持続可能で多様な環境の一体的な整備を推進することは大変重要である。

 今後、部活動の地域移行を円滑に推進するため、サポーターバンクのさらなる充実に向け、家庭教育サポート企業や道スポーツ協会と連携を図るほか、民間企業や経済団体等によるさらなる支援や近隣市町村の連携促進に向け、国の事業を活用して得られた成果や他県等の先進事例の提供を積極的に行うとともに、地域の実情に応じた助言を行うアドバイザーの派遣や、教育局のサポートチームが市町村を直接訪問し、課題解決に向けた助言や支援を行うなどして、地域の実情に応じた部活動の地域移行が着実に進むよう取り組んでいく。

(道議会 2024-12-13付)

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