道議会質疑 予算特別委員会(10月1日) Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand
(道議会 2024-12-12付)

【質問者】

▼宮崎アカネ委員(民主・道民連合)

▼今津寬史委員(自民党・道民会議)

▼平出陽子委員(民主・道民連合)

【答弁者】

▼中島俊明教育長

▼菅原裕之教育部長

▼山本純史学校教育監

▼伊藤伸一学校教育局長

▼山城宏一指導担当局長

▼伊賀治康総務政策局長

▼岡内誠総務課長

▼内山史彦働き方改革担当課長

▼髙田安利高校教育課長

▼小西晃学力向上推進課長

◆修学旅行

Q宮崎委員 保護者の負担費となる修学旅行について。学校行事の一つである修学旅行は、児童生徒、そして保護者にも重大なイベントと捉えられている。

 道教委は、この修学旅行にはどのような目的があると考えているのか、見解を伺う。

A髙田高校教育課長 修学旅行の目的について。修学旅行は、平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、より良い人間関係を築くなどの集団生活の在り方や、公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすることを目的としている。

Q宮崎委員 高校における修学旅行費について。修学旅行の費用は、そもそも保護者負担という規定になっている。高校については、日本国内という規定になっており、日程も、航空機利用の場合、4泊5日以内になっているが、出発時期や行く場所によっても費用は大きく異なる。

 道立高校の修学旅行の一般的な考え方、日程、費用は、現状ではどうなっているのか、伺う。

A髙田高校教育課長 修学旅行の日程等について。5年度の実績としては、道立高校全日制・定時制217校のうち、127校、58・5%が3泊4日の日程、88校、40・6%が4泊5日の日程で実施している。

 また、生徒1人当たりの旅行費用については、3泊4日で実施する学校の平均が12万4000円程度、4泊5日で実施する学校の平均が13万7000円程度となっている。

Q宮崎委員 4泊5日とする場合、マックス、道教委が妥当とする修学旅行の費用は幾らぐらいなのか。再度、伺う。

A山城指導担当局長 修学旅行の費用等について。前年度、4泊5日の日程の国内修学旅行の最も大きい額は約16万8000円であり、その時々の物価の状況等にもよるが、学校が保護者等と協議などを行い、決定すべきものと考えている。

Q宮崎委員 例えば、中には体格のいい生徒もおり、エコノミーの座席に座ることができない体の大きな生徒さんもいるかと思うが、その場合、普通の生徒よりも割高な費用となるのかならないのか、伺う。

A山城指導担当局長 費用負担について。通常、航空機を利用する場合、必要な座席の数に応じて料金が発生するものと承知している。

Q宮崎委員 2021年9月に医療的ケア児支援法が施行され、インクルーシブ教育が前進したように、医療的ケアが必要な生徒や保護者に対しての支援体制がはっきりとし、教育環境の充実と保護者の負担の軽減が実現された。

 医療的ケアが必要な生徒の中には、特別支援学校ではなく、地元の学校で学びたいと希望を持ち、普通学校で学んでいる生徒もいる。また、クラスの仲間と修学旅行に行くことは、インクルーシブ教育にとっては当たり前のことであり、あらゆる課題があっても行ける環境を整えるべきと考える。

 現在、北海道において高校に通う医療的ケアが必要な生徒が修学旅行に行くために課題となっていることは何か、伺う。

A髙田高校教育課長 修学旅行への参加における課題について。医療的ケアを必要とする生徒が修学旅行に参加する場合、学校は、健康の管理や安全について最大限に注意する必要があり、そのため、生徒の健康状態の把握等を行う看護師の同行と医療的ケアの実施、医療機器の適切な使用や管理、生徒が安全に旅行できるバスや航空機など適切な移動手段の確保、旅行先の医療機関との連携など不測の事態への対応等を確実に実施することが課題となる。

Q宮崎委員 高校に医療的ケアが必要な生徒が通っているのは、北海道のみならず、全国でも同じ状況だと思われる。医療的ケアが必要な生徒が修学旅行に行くための教育委員会の対応として、他県ではどのような状況なのか、伺う。

A山城指導担当局長 他県における修学旅行時の対応について。国では、3年に、医療的ケア児およびその家族に対する支援に関する法律を施行し、学校の設置者には、学校に在籍する医療的ケア児に対し、適切な支援を行う責務を有するとし、医療的ケア児が保護者の付き添いがなくても適切な医療的ケア等の支援を受けられるようにするため、看護師等の配置など必要な措置を講ずるものとしており、各都道府県においては、この法律に基づき対応している。

 他県に確認をしたところ、複数の県が、医療的ケアを必要とする生徒の修学旅行などへの参加に当たって、看護師を派遣する費用を負担するなどの支援を講じている。

Q宮崎委員 道教委は、いつからこの検討をするのか、伺う。

A山城指導担当局長 負担軽減について。高校に在籍し、医療的ケアを必要とする生徒が修学旅行等に参加する場合において、通常の旅行費用のほかに、障がいの状態等によって、別途、必要となる経費について、国に対し、制度の充実や財政措置を拡充するよう要請してきており、今後も適切に対応していく。

Q宮崎委員 現在、道内で医療的ケアの必要な生徒が、昨年やことしの猛暑の中、学校に休まず登校し、学校行事には積極的に参加していると聞いている。修学旅行も含め、どのような対策を講じてきたのか、伺う。

A山城指導担当局長 これまでの支援について。道教委では、医療的ケアを必要とする生徒が道立高校を受検する場合、学校が受検前に保護者と協議をし、必要な支援について確認するとともに、入学後にも、校内委員会等においてあらためて支援の内容などについて確認を行っている。

 具体的には、教室や図書室など校内における動線やスペースの確保などの環境整備や、生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、看護師や支援員の配置を行い、さらに、修学旅行等において保護者の付添いを求めないような対応をしてきたところである。

Q宮崎委員 道教委は、保護者の負担軽減に向けてどのような対応をしていくつもりなのか、伺う。

A山本学校教育監 今後の対応について。道教委では、国の法律を踏まえ、保護者の負担軽減を図るため、5年12月に、道立学校における医療的ケア実施要項を改定し、入学後直ちに医療的ケアを行うことができるよう、入学や転入学を予定している者を医療的ケアの対象者とし、医師との面談等を行うことや、看護師が主治医から指示を受ける方法を対面に限定しないことなど、医療的ケア実施手続の迅速化を進めてきている。

 今後においても、医療的ケア児へのさらなる支援の充実に向け、医療的ケアを行う看護師の配置に対する財政措置の拡充などを国に要望するとともに、看護師や教職員への引き継ぎなどに関する研修を年度当初に実施するなど、保護者負担の軽減に努めながら、生徒が安全・安心な環境で教育を受けることができるよう、支援体制の充実に取り組んでいく。

Q宮崎委員 知事は、北海道のどこにいても、安心して産み育てられるように目指していくとしているが、それよりもスピード感の鈍い対応では、児童生徒が卒業してしまう。このことに関しては全国の問題でもあり、道教委が全国知事会の議題にさせるぐらいの熱量で対応していかないと解決しないのではないか。

 再度、教育長の熱意をお聞かせいただきたい。

A中島教育長 北海道の中で、生徒がどこにいても、どんな状況にあっても、同じような教育を受けるということは、これは非常に大事なことだと考えている。

 そうした中、医療的ケア児の修学旅行の追加的費用の部分については、国のほうにも既に要請をしている。今後も国に要請するなど、適切に対応していく。

◆いじめ対応

Q今津委員 道内では、過去にも、児童生徒が自ら命を絶ち、調査でいじめが原因と認められたケースがあると認識している。

 道内の自殺でいじめが原因と疑われる事案について、道教委が把握した際に、市町村教委とどのように連携をして、そして再発防止に努めているのか、伺う。

A山本学校教育監 市町村教委との連携について。自殺は、一般的に様々な原因から成る複雑な現象と言われ、その原因が特定されない場合が少なくないとされており、国の指針において、児童生徒の自殺または自殺が疑われる死亡事案が発生した場合、全て背景調査を実施することとされている。

 また、自殺の背景にいじめが疑われる場合は、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態への対処として、地方公共団体の長へ報告する必要がある。

 道教委では、事案が発生した場合、直ちに指導主事を学校や市町村教委に派遣し、児童生徒の心のケアや校内の継続した支援体制の構築などに連携をして当たるとともに、国の指針に基づく調査やいじめ防止対策推進法に基づく対応が実施されているかを確認し、必要に応じて指導助言しているところである。

Q今津委員 旭川市は、今回の件を受けて、いじめ防止対策の強化のために、5年4月に市長部局にいじめ防止の専門部署を新設し、道内で初めて、いじめ相談を市長部局でも受けられるようにした結果、5年度の市立小・中学校のいじめ認知件数は、前年度比の3・6倍に急増している。

 このように、いじめ問題については、自治体の教育委員会が自治体の首長と連携して問題解決に当たることが重要である。

 道教委として、道知事部局との連携についてどのように対応するのか、伺う。

A中島教育長 知事部局との連携について。道と道教委は、社会全体でいじめの問題を克服することを目指して、北海道いじめの防止等に関する条例に基づき、相互に協議を重ね、北海道いじめ防止基本方針を策定した。

 また、道関係部局や関係機関で構成する北海道いじめ問題対策連絡協議会では、毎年度、本道の現状を踏まえたいじめ防止に関する取組について協議をしているほか、知事と教育委員会で構成する総合教育会議の場では、いじめの問題について十分な意思疎通を図り、一体となって取り組むための協議、調整を行っている。

 道教委としては、いじめ防止対策推進法などの関係法令に基づき、知事部局との緊密な連携のもと、いじめの問題に取り組んでいく。

◆高校ウェブ出願

Q平出委員 道教委は、来年度の道立高校入学者選抜はウェブ出願を予定しており、8月に出願手続マニュアルを公開して、受検生に模擬練習させていたことは承知している。

 そこで、ウェブ出願申請導入に踏み切ったのはどんな理由なのか、具体的に伺う。

A伊藤学校教育局長 ウェブ申請導入の目的について。これまで、道立高校を受検する中学生は、入学願書を手書きで作成し、下書きと清書、書き誤りがあった場合の修正等に時間を要していた実態があり、また、中学校では、生徒が手書きで記入した願書に書き誤りや誤字がないかの点検や、高校では、送付された入学願書を手入力でデータ化することに負担が生じていた。

 こうした中、中学校からは、道立高校の出願手続に電子化を導入してほしい、高校からは、中学生が出願データを入力する方法としてほしいなどの声が上げられたことを踏まえて、中学生の願書作成の負担軽減や中学校と高校における事務処理の効率化などを目的として、本年度実施する高校入試から出願手続の一部電子化を導入することとした。

Q平出委員 保護者の皆や先生に対し、シミュレーションを実施したが、結果、どのような質問や改善してほしいとの意見があったのか、伺う。

 さらに、それをどのように実施要綱に反映されるのかも併せて伺う。

A小西学力向上推進課長 シミュレーションの結果について。道教委では、実際の出願手続において混乱等が生じないよう、中学生とその保護者および中学校と高校を対象に、実際に使用する申請フォームを用いた願書作成等のシミュレーションを8月から9月までの間に実施した。

 シミュレーション実施後のアンケートでは、中学生や保護者からは、願書作成が簡単で修正しやすい、中学校からは、選択・入力方式なので、書き忘れが減り、点検しやすい、高校からは、出願者のデータをダウンロードでき、業務の軽減になる、中学校や高校からは、点検がしやすくなるようさらに工夫をしてほしいなどの意見があった。

 道教委では、こうした意見を参考にして、入力フォームの改善を行うとともに、ウェブ申請の出願手続マニュアルを作成する。

Q平出委員 子どもたちが、シミュレーションをした、模擬練習をしたというのは、子どもたちが持っているパソコンを使用したのだと思うが、このウェブ出願シミュレーションには、受検を希望する生徒全員が参加したのか。そう考えているのか、伺う。

A小西学力向上推進課長 シミュレーションの参加状況について。シミュレーションの実施については、国公私立を問わず、道内全ての中学校に通知し、協力をお願いした。

 道教委が把握しているシミュレーション上で行われた申請の件数は、全てが受検予定者による試行とは限らないが、約1万7000件であり、また、それ以外にも、シミュレーションには、ウェブ上で出願情報を入力していても、最終的にデータ送信を行わなかった受検予定者がいると考えられる。

Q平出委員 受検票の記入段階になったときは、収入証紙を貼付することになる。収入証紙は、地方自治法および条例に基づいて、使用料や手数料納付を行うための金銭の支払い方法であることは承知している。しかしながら、収入証紙を貼付しない、あるいは、東京都をはじめとして、収入証紙そのものを廃止しているところがある。さらに、廃止を検討している県もある。

 道教委も収入証紙貼付を廃止してみてはどうか。

A小西学力向上推進課長 出願に係る入学検定料の納入について。今回、出願手続の電子化をできる限り早期に進めるため、既存の北海道電子自治体共同システムの簡易申請機能を活用することとしており、入学検定料の納入には収入証紙の貼付が必要となる。

 現時点では、キャッシュレス決済には対応していないが、他県等ではキャッシュレス決済の導入実績があることから、今後の課題として検討する。

Q平出委員 今回のウェブ出願導入には、教職員の業務改善、働き方改革の意味合いも含んでいると思うが、どのような点が省力化に該当するのか、伺う。

A小西学力向上推進課長 ウェブ申請導入後の業務について。シミュレーション実施後のアンケートでは、中学校からは、願書の記載内容を点検する業務が軽減される、文字の間違いや記入の仕方についての指導が省力化される、また、高校からは、出願者のデータが出願先高校に送られるので業務が軽減される、手書きの文字での記載より点検や確認の作業が進めやすくなるなどの意見が寄せられており、入学願書記入等のプロセスを電子化することは、教職員の働き方改革にも資するものと考えている。

Q平出委員 このウェブ出願導入を決めたのなら、所期の目的がきちんと達成されるような分かりやすい方法を取るべきと考える。

 今回のウェブ出願については、マニュアルを作成し、11月までに公表予定だと伺っている。それに向けての教育長の見解を伺う。

A中島教育長 ウェブ申請の周知等について。入学願書記入等のプロセスを電子化することは、受検者の負担軽減が図られるとともに、中学校、高校における事務処理の効率化や誤り防止にもつながる有効な取組と考えている。

 道教委としては、十分な周知期間を確保し、ウェブ申請のシミュレーションを実施した上で、入試の実施要項を決定したところであり、今後、11月を目途に、中学生や中学校、高校向けにウェブ申請出願手続マニュアルを作成し、システム手順を示すなどして、受検者はもとより、保護者や教職員が手続上の負担や不安を感じることなく高校入試に臨むことができるよう、環境の整備を図っていく。

◆障がい者雇用

Q平出委員 道教委における教員のしょうがい者、そして、教員以外のしょうがい者雇用の割合を伺う。平均すると、本年度の雇用率は何%になるのかも併せて伺う。

A岡内総務課長 道教委における障がい者雇用率について。6年6月1日現在、教員については1・54%、事務局職員や学校事務職員など教員以外については10・7%となっている。また、道教委全体としては2・55%となっている。

Q平出委員 他県のしょうがい者雇用率について、上位5県と、道教委より下の県はどのような県なのか、伺う。

A岡内総務課長 他県における障がい者雇用率について。5年6月1日現在、都道府県教委における障がい者雇用率は、全国平均で2・34%であり、上位5県は、愛媛県2・92%、熊本県2・89%、高知県2・83%、福井県2・78%、鳥取県2・75%となっている。

 また、北海道より障がい者雇用率が低いのは、愛知県、兵庫県、京都府、沖縄県、福岡県など、14都府県となっている。

Q平出委員 しょうがい者雇用率が高い県は、どのような取組をして高くなったと道教委は捉えているのか、伺う。

A伊賀総務政策局長 他県における事例について。雇用率が上位の県のうち、熊本県、高知県、鳥取県では、アンケート入力・データ集計作業、印刷・シュレッダー作業、ラベル貼り・押印作業、教材・資料の整理、給食の配膳など、障がいのある方が能力を発揮しやすい業務を既存の業務の中から選定し、複数の職員が行っている業務をまとめて障がいのある職員が担当することとするなど、学校における業務の処理方法と、障がいのある方の能力、適性をマッチングさせていると認識している。道教委としても同様の取組を進めているところである。

Q平出委員 同じ道職員の中でも、道教委採用が一番、雇用率が低いのは、どのような理由があると考えているのか、伺う。

A岡内総務課長 道教委事務局等への採用について。障がい者を対象とした採用選考では、受験者が申込みを行う際に、合格した場合の採用希望先を、知事部局等、教育庁および道立学校、警察行政、公立小・中学校事務のうちから、最大で第4希望まで登録することとなっており、例年、7割以上の受験者の方が、知事部局等を第1希望としている。

 このため、道全体で合格者数が採用予定数に満たない状況においては、合格者の多くが知事部局等で採用され、教育行政や公立小・中学校事務の採用数が少なくなっているものと考えている。

Q平出委員 前年度までの実施結果を見ると、道職員採用予定者の1・7倍弱の受験生がいたにもかかわらず、採用になったのは4分の1弱しかいない。

 しょうがい者対象の選考において、受験者数より採用者数が大幅に少ない点について、道教委の見解を伺う。

A岡内総務課長 採用選考の結果について。障がい者を対象とした採用選考は、地方公務員法に基づいて人事委員会が実施することとなっており、道教委など各任命権者が、法定雇用率や欠員の状況などを踏まえて採用予定数を決め、採用後における合理的配慮の提供を前提として、人事委員会に試験の実施を要請しているところである。

 採用予定数よりも合格者が少ないのは、採用選考において、高校卒業程度レベルの筆記試験やコミュニケーション能力、協調性、主体性、行動力、積極性などを評定する口述試験によって、公正に選考された結果と認識している。

Q平出委員 本年度から適用になった週所定労働時間が10時間から20時間という短時間である場合は、0・5人とカウントできるようになった。

 しょうがい者雇用の中に、この短時間労働者が含まれているのか、伺う。

A岡内総務課長 短時間勤務職員について。6年4月1日から、重度の身体・知的障がい者、精神障がい者を雇用した場合、特例的な取扱いとして、雇用率上、1人をもって0・5人と算定することとなり、6年6月1日現在の道教委の雇用率の中にも、正規職員の補助的業務などに従事する数人の短時間勤務職員が含まれている。

Q平出委員 スクール・サポート・スタッフとしてしょうがい者の募集をしてきたようだが、しょうがい者が応募してこなかったのか、あるいは、応募方法を変えたのか、だからそこのところに応募してきたということなのか。それについて伺う。

A内山働き方改革担当課長 スクール・サポート・スタッフについて。これまで、障がいの有無にかかわらず募集しており、その任用に当たっては、任用を希望する方が市町村教委や学校に申し込み、面接などを経た上で、道教委において任用を決定している。

 道教委としては、本年度、あらためて、障害者職業センターなどの就労支援機関に対し、募集についての情報提供を行ったほか、直轄校である特別支援学校に対し、障がいのある方の任用について働きかけてきたところであり、現在、特別支援学校3校において障がいのある方を任用している。

Q平出委員 しょうがい者雇用を進める市民団体からは、しょうがい者を高校でもスクール・サポート・スタッフとして雇用してほしい旨の要請が来ていると思うが、担当からは色よい返事がない。文科省では、高校にもスクール・サポート・スタッフとして採用してもよいことになっているのに、担当は、採用しないの一点張りである。

 なぜ、採用しないことにしたのか、納得できる正当な理由を伺う。

A内山働き方改革担当課長 高校への配置について。国のスクール・サポート・スタッフに係る補助金の交付要網では、5年度以降、高校も配置対象とされているものの、国の予算では、従来から小・中学校を積算の基礎としていることに加え、中教審からの昨年8月の緊急提言や先般の答申においても、全ての小・中学校への配置を目指すべきという考え方が示されており、道教委では、こうした国の考えに即して、小・中学校などへの配置を優先してきている。

 一方、高校においても、長時間勤務の教員が多く、配置の必要性が高いものと考えており、学校種を問わず、希望する全ての学校に配置することができるよう、全額、国庫負担とするなど財政措置の一層の拡充について、全国都道府県教育長協議会とも連携しながら国に強く要望していく。

Q平出委員 障害者雇用促進法の改正があり、世の中が変化しているにもかかわらず、しょうがい者雇用が圧倒的に少ない現状を見ると、道教委は、しょうがい者は学校で勤務できないという旧態依然とした考え方のままであるように私は思う。口では、しょうがい者雇用をやると言っても、現実問題としては全然やる気がないように私は思う。見解を伺う。

A菅原教育部長 学校における障がいのある方の雇用について。障がいのある方の雇用は、誰もがその能力と適性に応じた雇用の場に就き、地域で自立した生活を送ることができる社会の実現に寄与するほか、学校において、児童生徒が障がいのある方と触れ合うことは、人々の多様な在り方を理解し、共に支え合う意識の醸成につながると認識している。

 このため、道教委としては、今後とも、障がいのある方が能力を発揮でき、組織や周囲の職員から評価されるようなやりがいを感じられる業務への採用を図るとともに、障がい者活躍推進計画に基づいて、障がいのある方が働きやすい職場環境づくりに取り組んでいく。

Q平出委員 しょうがい者雇用に関して、働く現場の環境をこれまでどのように整備してきたのか、伺う。

A伊賀総務政策局長 職場環境について。道教委では、本庁および各教育局に障害者職業生活相談員を配置し、障がいのある職員からの人間関係や職場環境の整備などに係る相談に応じるほか、各職場において、直属の上司が個別に面談を行い、職業生活に関する相談や日常的なサポートに当たるなど、障がいのある職員が安心して働ける職場づくりに取り組んできた。

 一方で、障がい者雇用が進む中、学校現場において、説明の理解が難しく、仕事を計画的に進められない、同僚とうまくコミュニケーションが取れず人間関係が築けないなどの声や、さらなる合理的な配慮を求める声があることも把握をしており、引き続き、相談・サポート体制の充実に取り組むなどして良好な職場現境づくりに努めていく。

Q平出委員 道教委には障がい者活躍推進計画というのがあり、それに基づいて会議を進めると伺っている。

 前年度はどのようなことを会議の場で討議をし、会議を進めてきたのか、伺う。

A菅原教育部長 障がい者活躍推進会議について。前年度開催した会議では、障がいのある職員の活躍の場の拡大等に向けて、障害者職業生活相談員の相談対応の状況、北海道福祉のまちづくり条例に基づく職場環境の整備状況など、障がい者活躍推進計画の取組状況について情報共有をしたほか、採用職種の拡大の検討であるとか、障がいのある職員の満足度を向上させるための職場環境づくりなど、障がい者の雇用促進に向けた今後の課題等について意見交換を行ったところである。

 補足になるが、本年度については、11月に開催を予定している。

Q平出委員 教育現場に、しょうがいのある先生あるいは職員がいるということは、子どもたちにとっては、しょうがいのある人たちと自分たちはどのように接するとよいのか、先生たちはしょうがいのある人たちとどのように接しているのか、また、しょうがいのある人たちはどんな工夫をして働きやすくしているのか、そのことを学ぶことができるよいロールモデルになると思う。

 道内の教育界におけるしょうがい者雇用率をアップしなければならない時期に来ていると思う。最後に、教育長の決意を伺う。

A中島教育長 今後の取組について。障害者雇用促進法では、地方公共団体は自ら率先して障がい者を雇用するよう努めることとされており、障がいのある方々がその能力と適性に応じた雇用の場に就くことができるよう、道教委では、これまで、スクール・サポート・スタッフも含め、学校における積極的な任用について市町村教委などに働きかけてきた。

 今後は、職場環境の面での配慮や、学校や市町村教委、就労支援機関への任用事例の情報提供のほか、募集の際には、障がいのある方も対象であることを分かりやすく発信するなど、学校現場をはじめとして、より多くの障がいのある方がその意欲と能力を発揮できるよう、雇用の一層の促進に取り組んでいく。

(道議会 2024-12-12付)

その他の記事( 道議会)

道議会質疑 予算特別委員会(10月1日) Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand

【質問者】 ▼道見泰憲委員(自民党・道民会議) ▼寺島信寿委員(公明党) ▼中司哲雄委員(自民党・道民会議) 【答弁者】 ▼中島俊明教育長 ▼菅原裕之教育部長 ▼山本純史学校教...

(2024-12-18)  全て読む

道議会質疑 予算特別委員会(10月1日) Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand

【質問者】 ▼鶴羽芳代子委員(自民党・道民会議) ▼水口典一委員(北海道結志会) 【答弁者】 ▼中島俊明教育長 ▼菅原裕之教育部長 ▼山本純史学校教育監 ▼伊賀治康総務政策局長...

(2024-12-17)  全て読む

道議会質疑 予算特別委員会(10月1日) Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand

【質問者】 ▼平出陽子委員(民主・道民連合) ▼鶴羽芳代子委員(自民党・道民会議) 【答弁者】 ▼山本純史学校教育監 ▼伊藤伸一学校教育局長 ▼齊藤順二生徒指導・学校安全担当局長...

(2024-12-13)  全て読む

道議会質疑 予算特別委員会(10月1日) Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand

【質問者】 ▼檜垣尚子委員(自民党・道民会議) 【答弁者】 ▼中島俊明教育長 ▼菅原裕之教育部長 ▼山本純史学校教育監 ▼岸本亮高校配置・制度担当局長 ▼針ヶ谷一義特別支援教育...

(2024-12-11)  全て読む

道議会質疑 一般質問(9月24日)  Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand

【質問者】 ▼前田一男議員(自民党・道民会議) ▼赤根広介議員(北海道結志会) 【答弁者】 ▼鈴木直道知事 ▼北村英則総合政策部長兼地域振興監 ▼中島俊明教育長 ◆教員確保 ...

(2024-12-10)  全て読む

道議会質疑 一般質問(9月24日)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼檜垣尚子議員(自民党・道民会議) ▼広田まゆ...

(2024-12-06)  全て読む

4定道議会一般質問(2日) オンライン講習 講義数を増加へ 社教人材の育成

 2日の4定道議会一般質問では、社会教育人材の育成が取り上げられた。  道教委の中島俊明教育長は、地域における住民の主体的な学びや実践を促し、地元企業・NPOと連携して地域の持続的発展を支...

(2024-12-05)  全て読む

道議会質疑 一般質問(9月20日)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】 【質問者】 ▼角田一議員(自民党・道民会議) ▼木葉淳議員...

(2024-12-04)  全て読む

82億円を増額補正 給与改定など 教育費補正予算案

 道教委は2日、4定道議会に追加提案する6年度教育費補正予算案を公表した。82億2553万円の増額補正で、既計上額と合わせた6年度教育費予算の総額は3939億5392万円となる。  道人事...

(2024-12-04)  全て読む

道議会一般質問(11月29日) 保護者同士 交流の場設置 不登校支援

 11月29日の4定道議会一般質問では、不登校児童生徒の保護者に対する支援が取り上げられた。  道教委の中島俊明教育長は、フリースクール等の関係者も参画する連絡協議会において不登校の児童生...

(2024-12-03)  全て読む