旭工高 ダイキン工業が寄贈　空調業界の人材育成へ　エアコン据付実習用機材

（学校 2024-12-24付）

　【旭川発】旭川工業高校（中島泰彰校長）電子機械科は１８日、同校でダイキン工業（株）からのルームエアコン据付実習用機材贈呈式を執り行った＝写真＝。同科と道教委とダイキン工業が協働で取り組む「エアコンを活用した人材育成３Ｄプロジェクト」の一環で、同校電子機械科が教材用エアコンと据え付け道具一式を受領。中島校長は「教材を生かして、空調業界の人材育成に努めていく」と意気込んだ。

　同プロジェクトは、旭川工業高電子機械科がダイキン工業からルームエアコン据付実習用機材の寄贈を受け、同科でエアコンを教材とした実践的・体験的な学習活動を展開し、将来の空調分野の担い手となる技術者育成につなげるもの。地球温暖化等の影響によって、道内での記録的猛暑が続いたことから、エアコン文化になじみのない本道でエアコン需要が高まっていることへの対応と空調業界の担い手育成を目的としている。

　当日、同校からは電子機械科設備システムコースの１・２年生２０人のほか、中島校長や遠藤康浩教頭、千葉智弘電子機械科長をはじめとした同科教職員が参加。

　ダイキン工業からは、ダイキンＨＶＡＣソリューション北海道（株）の藤井久士社長や小田嶋裕二取締役のほか、空調営業本部事業戦略室の中村明成課長らが出席した。

　冒頭、道教委高校教育課キャリア教育指導係の藤田朋軌係長がルームエアコン贈呈までの経過を報告。２月に大阪府で開かれた「北海道応援セミナー」でダイキン工業の十河政則会長から北海道での空調分野の人材育成に協力する旨の発言がきっかけとなったことや、同科の教職員がダイキン旭川ラボ・ラボプラスに視察へ行ったことなどを紹介した。

　続いて、藤井社長が贈呈とあいさつ。昨年に記録的猛暑日が続いたことや昔の北海道はエアコンがなくても快適に過ごせていたことからエアコン文化が浸透していないことを話した上で「今の北海道ではエアコンの普及が進み、エアコン据付技術者の育成が求められている。寄贈したルームエアコンで実習を通して、社会の需要に応えることを学んだり、空調業界を進路の一つに考えてもらったりしてくれればうれしい」と呼びかけ、受納者代表生徒の渡邉燦人さん（２年）に目録を贈呈した。

　最後に、中島校長と生徒代表の矢野秋奈さん（２年）が謝辞。矢野さんは、実習の時間に使う教材としてエアコンをいただいたことに感謝を述べた上で「将来の就職につながる知識や技術が身に付くので、キャリア形成の一助にもしていきたい」と伝えた。

　中島校長は「いただいた教材を生かしてエアコンを活用した実習を行っていき、空調業界の技術者の育成のほかにも将来の社会の担い手を育てていく」と意気込みを伝えた。

(学校 2024-12-24付)