主権者教育―総合学習等で優先的に　３定札幌市議会決算特別委員会（２０日）

（市町村 2015-10-22付）

　三定札幌市議会第一部決算特別委員会が二十日、第一特別委員会会議室で開かれた。松原淳二委員（民主党・市民連合）、岩崎道郎委員（民主党・市民連合）や丸山秀樹委員（公明党）、太田秀子議員（日本共産党）が登壇し、「札幌市高校等生徒通学交通費助成事業」「主権者教育」等について質疑。引地秀美学校教育部長や本居文男学校施設担当部長が答弁した。

◆主権者教育で適切な対応を指導

　引地学校教育部長は、主権者教育における現在の高校二年生・三年生の指導について、来年七月実施予定の参議院選挙において、現在の高校三年生と一部の高校二年生が選挙権をもつことから、「文科省配布予定の副教材を活用するほか、特別活動や総合的な学習の時間などにおいて優先的に実施するよう通知し、適切に対応するよう求める」と話した。松原委員（民主党・市民連合）の質問に対する答弁。

　高校生の違法な選挙運動を防止するため、「副教材を活用し、適切に選挙運動ができるよう指導する」と述べたほか、小中学校・高校の発達段階に応じた主権者教育については、「小学校では日本国憲法に基づく民主政治について、中学校では選挙の意義、高校では主権者としての望ましい在り方などを実施するほか、選挙管理委員会と連携し、模擬選挙など体験的な活動を働きかけて主権者意識を高める指導を一層充実させたい」と話した。

◆３０年度から高校等通学交通費を助成

　引地学校教育部長は、札幌市高校等生徒通学交通費助成事業について、「進路選択の幅を狭めるのを防ぐため、公共交通機関を利用して石狩管内の高校等に通う生徒に、通学に要する交通費のうち、基準額を超える額の半分を助成するもの。たくさんの子どもたちの高校教育の機会の手助けとなるもので、三十年度からの助成を予定している」と説明した。岩崎委員の質問に対する答弁。

◆フードリサイクル啓発ポスター作成

　環境省から３Ｒ促進モデル事業の指定を受けた学校給食フードリサイクル事業の取組について、本居学校施設担当部長は「身近な学校給食を通じて食や環境を学ぶ取組で、食の循環や再利用など映像を使った教材のほか、啓発用ポスターを作成し、取組の効果を検証する」と述べた。丸山委員の質問に対する答弁。

◆上野幌・青葉地域の学校規模適正化へ

　本居学校施設担当部長は、学校規模適正化ついて検討している上野幌・青葉地域の課題について、「児童が減少し、クラス替えができない学校があり、子どもたちの人間関係の固定化のほか、集団協議やグループ学習がしにくいなど、社会性や協調性を育みにくい環境となっている」と述べた。丸山委員の質問に対する答弁。

◆就学援助の支給費目追加を検討

　就学援助の支給費目追加要望について、引地学校教育部長は就学援助に関する調査・審議を行う就学援助審議会を設置していることから、「生徒会費やアレルギー診断費など、今後も支給費目について検討したい」と答えた。太田委員の質問に対する答弁。

(市町村 2015-10-22付)