道徳の教科化―評価の在り方など質疑　３定札幌市議会決算特別委員会（２０日）

（市町村 2015-10-26付）

　三定札幌市議会第一部決算特別委員会が二十日、第一特別委員会会議室で開かれた。わたなべ泰行委員（公明党）や飯島弘之委員（自由民主党）、中村たけし委員（民主党・市民連合）、前川隆史委員（公明党）が登壇し、「高校のキャリア教育」「道徳教育」等について質疑。引地秀美学校教育部長や松田昌樹児童生徒担当部長が答弁した。

◆各高校へキャリア教育の普及を

　引地学校教育部長は、これまでの高校のキャリア教育について、「十五年度から進路探究学習を導入し、進路探究セミナーや就業・職業体験、高大連携など取組を進めてきた」と述べた。

　その上で、地元の産業や地域を活性化する取組、地域の魅力や社会の発見など社会参画をした課題探究の学習が必要であることから、「軟石を活用した商品開発などに取り組む札幌啓北商業高校や、定山渓の魅力を発掘する市立札幌開成中等教育学校の事業を支援するとともに、各高校に普及・啓発をしたい」と話した。わたなべ委員の質問にに対する答弁。

◆道徳の教科化で授業改善が必要

　道徳の教科化が迫る中で、道徳教育におけるこれまでの取組や今後の課題について松田部長は「二十年度改訂の学習指導要領のもと、市教委の手引きを参考にするなど授業を実施していた。課題としては、教科化によってすべての教員にねらいや内容の周知が必要になることで、友情や思いやりなどの内容項目を扱う際に、教材化や指導方法の工夫など授業改善が必要」との考えを示した。

　道徳授業の評価の認識としては、「子どもの道徳性を養う中で、積極的に受け止め、励ます評価が重要。子どもの学習状況を把握し、教師が自らの授業を振り返ることで指導の向上につながる。文部科学省が評価の意義や計画方法などを示した時点で周知したい」と述べた。飯島委員の質問に対する答弁。

◆市奨学生制度で寄付呼びかけも

　引地学校教育部長は、札幌市の奨学生制度について採用人数や給付額について説明したほか、今後の取組として「ポスターやリーフレットによる普及・啓発、金融機関や福祉機関のほか、経済団体や企業などにも寄付を呼びかけ、一人でも多くの学生が札幌市の奨学金を受けることができるよう取り組んでいきたい」と述べた。中村委員の質問に対する答弁。

◆公立夜間中設置で教員配置など検討

　道教委と連携して行っている中学校夜間学級の設置に向けた調査研究に当たり、今後、札幌市内に中学校夜間学級を設置するためにはどのような検討が必要かについて、引地学校教育部長は「どのような学習内容を望んでいるかを把握し、指導体制を確保するための教員配置や中学校の活用など道教委と協議しながら検討を進めたい」と話した。前川委員の質問に対する答弁。

(市町村 2015-10-26付)