「育む　さっぽろっ子」　札幌市教育大綱策定―期間定めず

（市町村 2015-10-28付）

札幌市第２回総合教育会議

　札幌市は二十七日、ニューオータニイン札幌で第二回総合教育会議を開き、「育む　さっぽろっ子　教育の大綱」を策定した＝写真＝。教育の方針として、「子どもたちの中にある“生きる力”を育み、大きく伸ばすことで、世界の舞台で活躍する“さっぽろっ子”を育てます」を設定し、三本の取組の柱を据えた。大綱は、社会情勢や施策の展開状況等に応じた弾力的な対応が必要となる可能性があることから期間を定めず、必要に応じて改定することとした。

　会合には、秋元克広市長や長岡豊彦教育長、町田隆敏副市長、山中善夫委員、臼井博委員、池田光司委員、池田官司委員、阿部夕子委員の八人が出席した。

　議事では、市の教育等の振興に関する「大綱」案について秋元市長が説明。市教育振興基本計画に沿って作成したことを説明するとともに、教育の方針として、「子どもたちの中にある“生きる力”を育み、大きく伸ばすことで、世界の舞台で活躍する“さっぽろっ子”を育てます」と示した。

　取組の柱として、①子どもたちが安心して生活し学習することのできる環境を整える②学びや成長の機会を充実させ、子どもたちの可能性を広げる③ふるさと札幌への思いを持ちながら国際的な視野で創造的に考えることができる子どもたちを育む―の三つを設定した。

　①について、秋元市長は「子どもたちの“生きる力”を育むためには、まず、その土台となる環境を整えることが必要」とした。②では、「子どもたちが自分自身の可能性を見いだし、持てる力を大きく伸ばしていくには、日ごろの学習はもちろんのこと、スポーツや芸術などあらゆる分野で成長の機会や場を増やすことが大切」と述べた。③では、「札幌で育った子どもには様々な分野で活躍してもらいたい。そのためには、幅広い視野や創造性を身に付けることが重要」と説明し、「どの柱も市の教育が目指す人間像“自立した札幌人”の育成に資する」と強調した。

　大綱の期間については、国では四・五年程度を想定しているが、秋元市長は「教育は一貫した方針のもとで安定的に行われなければならないと考える。一方で、将来的に社会情勢や施策の展開状況等に応じ、弾力的な対応が必要となる可能性もある。特段の期間を定めずに必要に応じて改定したい」との考えを示した。

　協議では、「大綱の趣旨や“生きる力”などについて、詳しい説明が必要」と委員から意見が挙がった。今後、大綱の趣旨などの補足した文書などを作成し、大綱とともに発信する方針をまとめた。

(市町村 2015-10-28付)