３科目で全道平均上回る　苫小牧市教委が全国学力・学習状況調査結果を公表

（市町村 2015-10-22付）

苫小牧市の全国学力・学習状況調査結果

　【室蘭発】苫小牧市教委は、二十七年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した＝表参照＝。小学校国語Ｂ、算数Ａ・Ｂで全道平均を上回った。一方で、全国平均と比べると、小・中学校すべての科目で下回る結果となったが、中学校国語Ａ・Ｂ、中学校理科の三科目でほぼ同等の結果となった。質問紙調査では、「小・中学校とも家庭学習時間が増加」「小・中学校とも、放課後や長期休業中に補充的な学習サポートの充実がみられる」などの傾向が明らかになった。

　本年度の全国学力・学習状況調査は、四月二十一日に実施。市内の小学六年生一千四百六十一人（二十四校）、中学三年生一千三百八十九人（十四校）を対象に行われた。

　調査結果をみると、小学校では、国語Ａが前年度とほぼ同様で、全道・全国平均を下回った。「言語事項」では漢字を書くことに課題がみられ、無回答率も高い傾向となった。「話すこと・聞くこと」では、話の内容に対する聞き方の工夫について全国平均を下回っており、課題がみられた。

　国語Ｂでは、全道をやや上回るも、全国平均を下回った。前年度と比べて全国平均に近づいたが、「読むこと」では、登場人物の気持ちの変化を想像しながら音読する際の工夫について全国平均を下回っており、課題がみられた。

　算数Ａは、全道をやや上回ったが、全国平均を下回った。「数量関係」では、「数量の関係を図と関連付けた理解」が全国平均を上回った。

　算数Ｂは、全道をやや上回ったほか、前年度と比べて全国平均に大幅に近づいた。「図形」では、「図形の約束や性質の理解」が全国平均を上回った。

　理科は、全道・全国平均を下回った。「生命」では、メダカの雄雌を見分ける方法の「理解」について全国平均を下回っており、課題がみられた。

　中学校をみると、国語Ａは、全道・全国平均をやや下回った。「話すこと・聞くこと」では、全国平均を上回った。国語Ｂについても、やや全道・全国平均を下回った。「書くこと・読むこと」では、複数の資料から適切な情報を得て自分の考えを具体的に書くことについて、全国平均を下回り、課題がみられた。

　数学Ａは、前年度とほぼ同様で、全道・全国平均を下回る結果となった。「数と式」では、一次方程式を解く「数学的な技能」について全国平均を上回った。数学Ｂも、全道・全国平均を下回ったが、前年度より差は縮まった。「関数」では、「情報を処理し、結果に即して解釈すること」で、全国平均を上回った。

　理科は、全道・全国平均とほぼ同等まで近づいた。「地学的領域」では、他者の考察を検討して改善し、関連付けて正しく説明する「科学的な思考・表現」について全国平均を下回っていることに加え、正答率が低く、課題がみられた。

　質問紙調査では、「小・中学校とも家庭学習時間が増加」「小学校において、読書習慣の定着がみられる」「小・中学校とも放課後や長期休業中に補充的な学習サポートの充実がみられる」との傾向が表れた。

　一方で、「基本的な生活習慣は改善の傾向がみられたが、スマートフォンを含めたテレビゲームの利用時間は長い傾向にある」と分析している。

(市町村 2015-10-22付)