性教育指導者の育成で道教委 文科省講習に教員派遣 適切な理解・行動促進に向けて 4定道議会本会議(12月1日)(道議会 2015-12-03付)
道教委は、本年度新たに文部科学省の性に関する講習会に教員を派遣し、道内における指導者として活用していく。文科省の学校保健総合支援事業「性に関する指導普及推進事業」の一環。性教育の充実を図り、児童生徒にエイズや性感染症などの正しい知識を身に付けさせる。今後、対象となる教員一人を募集し、来年二月ころに派遣する予定。派遣後は、道教委主催の各種研修会における講師として、文科省の講習会の内容や実践紹介などを行っていく。
一日に開かれた四定道議会本会議において、柴田達夫教育長が大越農子議員(自民党・道民会議)の一般質問に答えたもの。
厚生労働省エイズ動向委員会の報告によると、道内において二十六年の一年間で新たにHIVに感染した人が二十人、エイズを発症した人が十人の合計三十人で、二十二年の合計二十一人より増加。梅毒の感染者も二十二年の七人から二十六年は五十八人に増えた。
学校現場では、感染予防のため、青少年へのエイズや性感染症の正しい知識を伝えることが求められている。これまで、児童生徒の発達段階を踏まえ、保健体育科の授業や医師などの外部講師を招いた特別活動において、身体の発育や発達、生命の尊重、自己や他者の個性を尊重することに関連付けた性に関する指導が行われている。
道教委では、学校の取組を推進するため、教職員等を対象とした性教育に関する研修会を開き、専門家による講義や優れた指導事例を紹介するとともに、知事部局と連携し、保健所職員を学校に派遣して講話を行っている。
本年度は、新たに文科省の学校保健総合支援事業「性に関する指導普及推進事業」における性に関する講習会に、教員を派遣する方針を固めた。
講習会は、現在のエイズおよび性感染症や妊娠・出産に関する課題などについて、教職員等が正しい認識をもつため、専門家による講義を通して、近年の性に関する課題を理解し、特に中学校および高校で、より関連が深いテーマについて理解を深めることが目的。性情報の氾濫や、子どもたちを取り巻く社会環境が大きく変化する中で、子どもたちが性に関して適切に理解し、行動できるようにすることを目指す。
今後、対象となる教員一人を募集し、来年二月ころに派遣する予定だ。研修を受けた教員は、道教委主催の各種研修会における講師として、文科省の講習会の内容や実践紹介などを行っていく。
柴田教育長は答弁で、「性に関する問題が指摘される中、児童生徒が性に対して理解し、適切に行動する態度を育てることが重要」と指摘。派遣教員を指導者として活用するとともに、国が作成した小・中・高校の保健教育の手引きについて、効果的な活用を指導・助言していくことも示した。
(道議会 2015-12-03付)
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