道議会文教委員会（１２月９日）―クリアファイル問題　政治的行為の制限を通知　服務規律確保へ道教委

（道議会 2015-12-14付）

　道議会文教委員会（九日）では、道教委のクリアファイル調査結果報告を受け、質疑が行われた。山本広海教育部長は「教室内でクリアファイルが生徒の目にふれたことが確認された」などの調査結果を踏まえ、「教職員の政治的行為の制限について通知を発出し、服務規律の確保に万全を期すよう指導していく」と答弁した。

　文教委員会では、道教委が「政治的目的を有すると考えられるクリアファイル」の調査結果＝十日付１面既報＝を報告したあと、委員四人が質疑等に立った。

　丸岩浩二委員（自民党・道民会議）は、クリアファイルを配布した道高教組に対して抗議すべきとして道教委の見解をただした。

　秋山雅行総務政策局長は「職員団体活動として行われる行為であっても、その構成員である個々の職員については、政治的行為に関する服務上の制約があることを十分理解の上、道民の誤解を招くことのないよう、道高教組に申し入れをしていく」と述べた。

　丸岩委員が服務規律の徹底を求めたのに対し、山本広海教育部長は「クリアファイルが職員室の机の上に置かれていたこと、さらに、教室内でクリアファイルが生徒の目にふれたことが確認されたことから、あらためて全道立学校に対して、今回の調査結果と併せて、教職員の政治的行為の制限について通知を発出し、服務規律の確保に万全を期すよう指導していく」と答弁。該当する行為が確認されなかった市町村立学校についても、「注意喚起の通知を発出していきたい」と述べた。

　川澄宗之介委員（民主党・道民連合）は、調査の実施が学校の混乱や保護者・地域の不安を招いたほか、教職員の思想信条への介入などと批判し、道教委の認識をただした。

　佐野弘美委員（日本共産党）は、調査には「何の道理もない」として、今後、同様の調査を行わないよう求めた。

　山崎泉委員（北海道結志会）は、クリアファイルを通して個人名が生徒の目にふれることへの懸念を示した一方、「やり方については考えるべき」と調査の実施方法への配慮を求めた。

(道議会 2015-12-14付)