今金小が公開研究会開く　考え伝える言語活動を　算数で習熟度別指導展開

（学校 2015-12-15付）

今金小公開研究会

　【江差発】今金町立今金小学校（谷口光伸校長）は十一月下旬、同校で公開研究会を開催した＝写真＝。二・五年生の算数を習熟度別に分けて、少人数指導の授業を展開。ペア学習の場面＝写真＝では、児童同士がテンポよく説明を繰り返し、自らの考えを端的に相手に伝えていた。

　第四十回今金町教育研究集会（今金町教育研究会主催）を兼ねて開催。会場校の教職員を含め六十人余りが参加した。

　今金小の研究主題は「主体的に学び合い、確かな力を身に付ける子の育成～言語活動の充実を目指して」。町教研の研究主題は「自ら積極的に表現し、主体的に行動する子どもの育成」。

　今金小では、言語活動の充実を図るため、集団解決の場面においてペアによる話し合い活動を授業に取り入れている。ペア学習には三つの方法があり、授業の最初の段階でペアをつくって話し合う「いきなりペア」、座席の隣同士で交流する「座席ペア」、向かい合わせに座った前列と後列の児童が横にスライドしながら何度も説明し合う「連続ペア」がある。

　「いきなりペア」には「意欲が高まり、自分の考えに自信がもてる」、「座席ペア」には「発表前に自分の考えに自信がもてる」、「連続ペア」には「何度も説明するうちに余計な言葉を削り、端的に説明できるようになる」といった成果が期待されている。

　当日は、二・五年生算数の授業を公開。二年生は、「じっくりコース」二クラスと「チャレンジコース」一クラスの計三クラスに分けて少人数指導を展開。五学年は、「じっくりコース」と「チャレンジコース」の計二クラスに分けて指導を行った。

　このうち、五年生「じっくりコース」（黒川貴功主幹教諭、児童数九人）では、単元「図形の角を調べよう」の授業を展開。七時間扱いの三時間目に当たる本時では、三角形の内角の和をもとにして、四角形の内角の和を求める方法を検討させた。

　黒川主幹教諭は、ＩＣＴ機器を活用し、戸惑う児童には個別にタブレット端末の画面を示して指導した。また、大型モニターに映された四角形に対角線を引くなどしてヒントを与えた。

　内角の和を求める式と答えを考えたあと、児童は「座席ペア」になり、問題の解き方を相手に伝えた。留意事項として黒川主幹教諭は「必ず相手の方を向いて説明し、式を指すこと。図形の問題なので、図も指し示しそう」と呼びかけた。

　つぎに「連続ペア」の形になり、向かい合わせに座った二列の児童が、解き方に関する自分の考えを相手に伝えた。伝え終わると横にスライドし、再び新しい相手に説明を行った。何度も説明するうちに、児童は要点だけを簡潔に伝えられるようになっていた。

　授業後の開会式では、谷口校長があいさつ。本年度から言語活動の充実に取り組むとともに、五年生に関しては児童が主体的に学習を進められるよう、ＩＣＴ機器の活用に取り組んでいることを伝えた。

　今金町教委の田中俊一教育長は「授業が着実に積み重ねられていた。子どもたちに良い変化が見られたが、先生方の授業が変わったからこそ子どもたちも変わった」と祝辞を述べた。

　研究協議のあと、桧山教育局義務教育指導班の高橋勝義指導主事が「言語活動の充実に向けて」をテーマに講話を行った。

(学校 2015-12-15付)