道学校図書館協会が研修講座開く 主体的な読書を一層推進 文科省・杉本調査官が講演(関係団体 2016-01-08付)
文部科学省・杉本調査官が講演した
道学校図書館協会(門前智会長)は六日からきょう八日まで、札幌市内かでる2・7ほかで第四十八回学校図書館研修講座を開いている。教職員や図書館司書など約百五十人が参加し、講演や読書指導などの選択講座を通して、学校図書館の機能向上について考えた。講演で、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程調査官・学力調査官の杉本直美氏=写真=は「子ども自身による主体的な読書活動を一層推進して」などと呼びかけ、具体的な取組事例を紹介した。
研修講座は、学校図書館の運営および情報・メディアを活用する学び方の指導、読書指導に関する基本的事項について理解を深めるとともに、学校図書館の目指す方向と役割についての見識を深め、学校図書館の機能の向上を図るもの。
初日の開講式では、門前会長があいさつ。「学校図書館がもつ貴重な役割と、そこで働く皆さんの重要性が学校現場に認知されていない」との課題を挙げ、法的整備、校長のリーダーシップ、人材育成の視点から課題解決の方策を提示。「時代が学校図書館の重要性に気づき始めている。力を蓄え来たるべきときに備えて」と、研修講座を実り多いものにするよう呼びかけた。
次いで、参加者全員対象の共通講座を行い、文科省の杉本教科調査官が「これからの読書活動と学校図書館の在り方」と題して講演した。
杉本氏は「何が起こるか分からない時代、正解が準備されていない時代においては、自立した人間として、仲間と協働しながら未来を開いていく力が必要」と指摘。アクティブ・ラーニングの視点から授業を改善し、学習評価を充実する重要性を示し、「主体的、協働的な教育を進める中、今後の読書活動、学校図書館がどうあるべきか考えて」と求めた。
読書活動の推進に向けた具体的事例として、福島県における公立図書館と連携している学校の割合の数値目標を示し、「学校図書館の活性化実践事業」に取り組んでいることを紹介。子どもにも分かりやすい読書活動年間指導計画を作成したり、家庭で読書を楽しむ「家読の日」の実施率を『学校だより』で紹介したりしている石川県内の小学校の取組についてもふれた。
また、子どもたちの実態について、読書に親しむきっかけをつくる段階、読書活動の意味を考えさせる段階があることを説明し、「読書量を考えるより、取組をしないと離れていく子どもがいる状況に着目すべき。子ども自身による主体的な読書活動を一層推進して」と呼びかけた。
特に、読書指導の目的については、「自らの目的や必要に応じて本を手に取り、そこにある情報を適切に活用し、自己の成長に役立てる読み手を育てる」ことを挙げ、「定期的に自分自身の読書生活の在り方を考えさせる時間をとって」と助言した。
さらに、各教科等において学校図書館を計画的に活用する必要性も示し、「読書とは本を読むことに加え、新聞や雑誌、資料を読むことも含んでいる。読書という行為を広くとらえて」と要望。文科省が作成した『言語活動の充実に関する指導事例集~思考力・判断力・表現力等の育成に向けて』において、学校図書館の利用が有効な授業を確認するよう求めた。
午後から二日目にかけては、「図書館活動」「読書指導」などの選択講座を実施。「レファレンスの基本」は北星学園大学図書館で行い、使いやすい図書館について検討する「一日まるごとクリニック」は札幌市立琴似中学校で開いた。三日目のきょう八日は、校種ごとに図書館資料の活用とその指導について討議を行う。
(関係団体 2016-01-08付)
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