秋田の取組から授業改善学ぶ 函館市南北海道教育センターが小・中学校教課研(市町村 2016-01-18付)
140人が協議や講演を通して研鑚した
【函館発】函館市南北海道教育センターは十二日、ロワジールホテル函館で小・中学校教育課程研究協議会を開催した。市内小・中学校の教諭、約百四十人が参加し、教育課程の編成、実施等に関して協議するとともに、授業改善等にかかわる講演を通して研修を深めた。
この協議会は、学力向上に資することを目的として毎年開催しているもの。教育課程の編成・実施および学習指導上の課題を踏まえて、説明・協議を行い、具体的な課題解決の方策を明らかにすることで、教育課程の改善充実や各教科等の授業力向上を図っている。
開会式で山本真也教育長があいさつに立ち、「これからの教育は、子ども一人ひとりに自ら考え、判断し、主体的に行動していく資質を身に付けさせていくことが一層大切になる」と強調。その上で、教育課程改善の重要性を指摘し、同研究協議会の趣旨を説明した。さらに、講演会には二十五年度から毎年、秋田県から講師を招聘していることにふれ、「全国学力・学習状況調査の上位県からその実践を学び、授業改善や教育課程の充実に生かしてほしい」と参加者に期待した。
午前中は、学力向上にかかる課題解決を図るために、「探究型授業で学力向上~秋田の学校の実践から考える」と題して、秋田県教育庁義務教育課学力向上推進班の中井淳主任指導主事が講演した=写真=。中井主任指導主事は、公立小学校教諭のあと、県教委指導主事を経て現職。専門は国語。現在、秋田県検証改善委員会委員も務めている。
はじめに、「秋田の探究型授業」について説明。「探究型授業」は、総合的な学習の時間における「探究的な学習」や「協同的な学習」と考え方は同じだとした上で、課題解決のプロセスの明確化とその認知が重要であること、秋田においても改善を重ねていることを説明した。
教師に関しては、「ゴールを考えた授業づくり」が大切であるとし、実践事例を交えて説明した。さらに、そのプロセスと板書やノートがリンクしている実践についても紹介した。
つぎに、「秋田の学校の共同研究体制」については、学年や教科を超えた共同研究体制の構築が重要であると強調。研究授業の回数や、講師を招聘した研修会の実施では、本道との差はないものの、校外の研修会への参加とその成果の校内への反映や、自校の学力の傾向や学力向上の方策、課題の共通理解に違いが見られると分析し、授業交流が盛んなことが強みであると説明した。
さらに、「秋田の家庭学習の取組」に言及。自主的、継続的に取り組ませるためには、保護者への働きかけや教師間の共通理解が重要であることを示したほか、特に〝評価すること〟が大切であるとした。
最後に「秋田の探究型授業のこれから」では、アクティブ・ラーニングの視点をもった授業改善にふれるとともに、今後は「〝問い〟を発する子ども」の育成に授業改善の方向性があると強調した。
午後からは、教育課程編成上の課題解決や各教科の指導の在り方について、説明・協議を実施。本年度の函館市学校教育推進の指針の重点指導事項である①学習指導②特別支援教育③学年・学級経営④今日的教育課題(食に関する指導・キャリア教育等)―に沿った四部会に分かれ、それぞれ実践に基づき意見を交流し、成果と課題を確認した。
(市町村 2016-01-18付)
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