札幌市教委27年度全国学力・学習状況調査の実施報告①
(市町村 2016-01-20付)

 札幌市教委は二十七年度全国学力・学習状況調査の実施報告書をまとめた。教科ごとの意識調査を行い、「勉強は好きか」「授業の内容は分かるか」などの回答傾向について分析。小中学生の国語、算数・数学、理科の設問分析と児童生徒質問紙調査結果について連載で紹介する。

◆小学校国語

▼設問分析

▽「国語の勉強は好きですか」という質問では、肯定的に回答した割合が六四・六%(二十六年度六二・一%)となっており、全国平均を三・五ポイント上回っている。児童の興味・関心を引き出し、意欲を高める言語活動の充実などが要因と考えられる。今後もさらに学ぶ意欲を引き出す指導の充実が求められる。

▽「国語の勉強は大切だと思いますか」という質問では、肯定的に回答した割合が九一・八%(二十六年度九一・二%)となっており、全国平均を〇・二ポイント下回っているものの、全国と同様、肯定的に回答した割合が高くなっている。

 今後とも、言語活動の充実を図り、児童が主体的に学び、実生活に生きて働くような学習を工夫することによって、国語の学習の意義や価値を実感するような授業を行うことが求められる。

▽「国語の授業の内容はよく分かりますか」という質問では、肯定的に回答した割合が八一・四%(二十六年度七九・八%)となっており、全国平均を〇・六ポイント下回っている。

 昨年度と比較して向上が見られるが、今後も児童が意欲と見通しをもって学ぶことができるような学習過程、基礎的・基本的な指導事項の習熟とともに、児童一人ひとりの実態に応じた指導の充実を図ることが求められる。

▽「読書は好きですか」という質問では、肯定的に回答した割合が七四・八%(二十六年度七五・九%)となっており、全国平均を二ポイント上回っている。

 今後とも、一斉読書の推進に引き続き取り組むほか、国語の授業だけではなく、様々な機会を通して、児童の読書活動の一層の促進に取り組むことが求められる。

▽「国語の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか」という質問では、肯定的に回答した割合が八六・三%(二十六年度八五・三%)となっており、全国平均を二・三ポイント下回っている。

 昨年度と比較し、向上しているが今後も、日常生活に生きて働く国語の力を付けるため、言語活動を通した指導の充実を図るとともに、児童が国語の学習の有用性を実感できる指導を工夫・改善していくことが求められる。

▽「国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が五九・八%(二十六年度五六・九%)となっており、全国平均を五・四ポイント下回っている。

 昨年度と比較し、向上の傾向は見られるが、引き続き、資料から得た事実や情報をもとにそれらを関係付けながら自分の考えを明確にし、話したり書いたりする言語活動を工夫することが求められる。

▽「国語の授業で意見などを発表するとき、うまく伝わるように話の組み立てを工夫していますか」という質問では、肯定的に回答した割合が五九・七%(二十六年度五七・三%)となっており、全国平均を一・五ポイント下回っている。

 今後は、目的や意図に応じて児童が自分の考えをもち、さらに相手に分かりやすく伝えるための工夫をしながら話したり書いたりすることができるような言語活動を位置付けていくことが一層、求められる。

▽「国語の授業で自分の考えを書くとき、考えの理由が分かるように気をつけて書いていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が七一・九%(二十六年度七〇・三%)となっており、全国平均を〇・八ポイント下回っている。

 今後は、目的や意図に応じて、児童が自分の考えをもち、その理由を書いたり話し合ったりする言語活動を通した授業を工夫することが求められる。

▽「国語の授業で文章を読むとき、段落や話のまとまりごとに内容を理解しながら読んでいますか」という質問では、肯定的に回答した割合が七七・四%(二十六年度七六・三%)となっており、全国平均を〇・二ポイント上回っている。

 「読むこと」の授業において、目的に応じて、事実と意見を区別したり、段落相互の関係を意識したりしながら文章全体を読む指導の一層の充実が求められる。

(市町村 2016-01-20付)

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