〝知・徳・体の調和〟など重点に　２８年度札幌市学校教育の重点

（市町村 2016-01-21付）

　札幌市教委は十九日、第一回教育委員会会議で二十八年度札幌市学校教育の重点について示した。「知・徳・体の調和のとれた育ち」など四つの柱を掲げ、教職員が一丸となって特色ある教育課程の編成・実施および学校運営等に取り組むことを期待。二月下旬にも市立幼稚園、小・中学校、高校、特別支援学校などの教職員全員に冊子を配布する。

　札幌市学校教育の重点は、幼児児童生徒の発達段階を踏まえ、学校経営や教育課程の編成および実施、生徒指導等に生かすため、特に重点となる施策や教育内容を示したもの。毎年、全教職員等に冊子を配布している。

　重点では、①知・徳・体の調和のとれた育ち②札幌らしい特色ある学校教育③学校教育の今日的課題④信頼される学校の創造―の四点について示している。

　①では、学ぶ力の育成に向けて「さっぽろっ子学ぶ力の育成プラン」から、「難しいことにも挑戦する意欲を伸ばす」「生活を自らコントロールする力を育む」など、五つのポイントを提示。指導方法等の工夫改善を図ることを求めたほか、課題探究的な学習を取り入れた授業の充実に向け、学習の展開例を図で示した。

　また、豊かな心の育成に向けて、「命を大切にする指導の充実」「学校いじめ防止基本方針に基づいたいじめの防止・早期発見・対処の取組」などを挙げた。小学校では三十年度、中学校では三十一年度から「特別の教科　道徳」を実施する予定であることから、道徳教育推進教師を中心とする校内体制の整備や道徳の時間の指導の改善など図るよう求めている。

　健やかな身体の育成では、なわ跳び大会や体づくり運動、生徒会主催のスポーツ大会など小・中学校の実践例を示し、取組の充実を促している。

　②では、中核となるテーマ「雪・環境・読書」について、発達段階に合わせた育ててほしい力を提示。このうち読書については、中学校への学校図書館司書配置を進めており、学校図書館の読書センターとしての利用拡大に加え、課題探究的な学習に資する教員と学校図書館司書の連携による学校図書館を活用した授業を行うなど取組例を挙げている。

　③では、校種間連携や特別支援教育、国際理解教育について提示。小学校外国語活動の充実では、英語を通じて言語や文化について体験的に理解を深め、外国語活動の充実を図り、コミュニケーション能力の素地を養うため、段階的な英語専門教師の配置などの方針を示している。

　④では、教員の指導力や資質の向上、安全・安心な学校づくり、家庭と連携して子どもの学習習慣や生活習慣を育むことなどを求めている。

　二十八年度札幌市学校教育の重点の冊子は、二月下旬にも教職員一人ひとりに配布する予定で、活用の周知を図っていく。

(市町村 2016-01-21付)