北斗市教委27年度全国学力等調査 下位層の底上げ図られる 小・中とも全教科合計正答率が全国上回る(市町村 2016-01-25付)
【函館発】北斗市教委は二十七年度全国学力・学習状況調査における市内各校の結果をまとめた。小・中学校とも全教科合計の平均正答率が全国を上回り、下位層の割合は小、中ともに全国を下回った。平成二十五年度以降、学力等の向上に関し数値目標を定めて取り組んできた市教委は「各校の取組の成果が表われている」と評価。永田裕教育長は「平均正答率以上に、下位層の底上げが図られたことを高く評価したい」と話している。
市教委が公表したのは市内小・中学校全十六校の調査結果と、小・中規模校を除いた小学校四校、中学校三校の学校別の調査結果。 小学校では、平均正答率が国語A・B、算数Aで全国を上回り、算数B、理科においては全国をやや下回ったものの、全道を上回った。また、下位層の割合は全教科で全国を下回った。
中学校では、平均正答率が全教科で全国を上回り、下位層の割合は全教科で全国を下回る結果となった。
無解答率は、小学校では国語Bの一つの設問を除く他のすべての設問で全国を下回り、中学校においてはすべての設問で全国を下回る結果となり、小学校、中学校ともに、最後まであきらめずに一生懸命に問題に取り組んだ状況が示される結果となった。
◆25年度から数値目標設定
市教委は、「北斗市学力等向上プラン」において、二十五年度にはじめて具体的な数値目標を設定した。市内の十六校トータルで、二十五年度は平均正答率を前年度比二~六ポイント上げ、全国の平均正答率に到達することを目標とした。二十六年度も引き続き、前年度比二~六ポイント引き上げ、全国平均を上回ることを目指した。
市内各校も数値目標を基準に、各校の実態にあった具体化した目標を掲げ、各種取組を進めた。
各校はこれまで、道教委チャレンジテストの統一実施、全国調査の過去問題や類似問題への取組、不得意領域の重点指導等に取り組んできた。
学力等向上プランにおいては、二十七年度の目標として、小学校は各校とも全教科合計で全国平均以上を目指し、中学校では北斗市トータルで全教科合計で全国平均以上を目指すとした。さらに二十八年度には小学校は二十七年度と同様の目標とし、中学校では各校ともに全国平均以上を目指すとしている。
加えて、小・中共通で下位層の児童生徒の底上げに取り組み、下位層の割合を前年度より確実に減らすことを目標としている。
◆〝知の保証プラン〟実を結ぶ
永田教育長は「北斗市の子どもたちが、社会に出て困らないための最低限の学力を全員に身に付けさせるため、〝知の保証プラン〟の実行により、オール北斗で学力向上を目指す」と、数値目標を掲げるプランの意義を強調する。
二十七年度の調査結果において成果が表われたことに関しては、平均正答率が全国平均を上回ったこと以上に、下位層の底上げが図られていることを高く評価。教職員が共通理解のもとで、組織的に学力向上に取り組んできた表れとみている。
北斗市教委は、学力向上に限らず、先進的な教育活動に取り組む自治体や学校等への教員の視察研修を支援している。学力等向上プランで数値目標を設定した二十五年度以前から、先進地に出かける教員の視察研修が増えてきた。主幹教諭だけではなく一般教諭にも、ほかの地域の優れた取組を積極的に学ぶ動きが現れている。
市教委は今後も、家庭での学習習慣の定着や、小小連携、小中連携の取組、校内研修などに力を入れ、教育活動の充実に努めていく方針だ。
(市町村 2016-01-25付)
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