東神楽町が全小学校でＣＳスタート　地域総ぐるみで学校運営　次年度に中学校で導入検討も

（市町村 2016-01-22付）

　【旭川発】東神楽町は、町内の全小学校でコミュニティ・スクール（ＣＳ）制度をスタートさせる。十二日に開いた教育委員会議で、全四校に学校運営協議会を設置すると決定。各校で地域に応じた協議会を三月末までに組織し、四月から地域総ぐるみで特色ある学校づくりに本格的に取り組む。また、中学校での導入について、二十八年度に検討を進めていく。

◆協議会規則「任用への意見」盛り込まず

　東神楽小、東聖小、忠栄小、志比内小で、学校支援地域本部等の団体から委員を委嘱し、地域に応じた協議会を組織する。ただし、地教行法に定められている協議会の主な役割のうち、「教職員の任用に関して、教育委員会に意見を述べることができる」に関しては、「教職員に混乱が生じるおそれがある」（水野和男教育長）として、協議会規則に盛り込まないこととした。

　規模の大きい東神楽小と東聖小の協議会では、協議会の運営および活動の調整を担う部署と、保護者や地域住民が教育活動に積極的に参加するよう促す学校支援部を設置。規模の小さい忠栄小と志比内小では、運営担当の部署と学校支援部を一体化させる。

　加えて、従来の学校評議員制度を改め、協議会内に学校評価部を設ける。

◆制度周知に向け説明会を開催

　今後、学校の参観日に合わせて保護者向け説明会を開催し、制度のさらなる周知を図る。日程は、志比内小が二十四日、東神楽小と東聖小が二月十七～十九日、忠栄小が二月二十五日となっている。

　さらに、二月十日にはコミュニティ・スクール推進員（ＣＳマイスター）の出口寿久北海道大学学務部長を招いて、教員および地域住民向けに制度等説明会を行う予定となっている。

　その後、三月末までに各学校で協議会を発足させ、四月から本格的に制度をスタートさせる。二十八年度には東神楽中学校での導入を検討していく。

　水野教育長は「子どもたちの育成のため、すでにあるシステムを継続できるようにするのがコミュニティ・スクール。地域と一緒に考え行動する組織として、子どもたちを地域全体で育んでいきたい」と話している。

※キーワード

▽コミュニティ・スクール制度（学校運営協議会制度）＝地域とともにある学校づくりを目指して、文部科学省が推進する制度。「コミュニティ・スクール」は、学校運営協議会を設置している学校のことを指す。

　学校運営協議会の主な役割は、地教行法に定められており、「校長が作成する学校運営の基本方針を承認する」「学校運営について、教育委員会または校長に意見を述べることができる」「教職員の任用に関して、教育委員会に意見を述べることができる」の三点がある。協議会委員は、地域住民や児童生徒の保護者などが務める。

(市町村 2016-01-22付)