札幌市教委27年度全国学力・学習状況調査の実施報告③(市町村 2016-01-22付)
◆小学校理科
▼設問分析
▽「理科の勉強は好きですか」という質問では、肯定的に回答した割合が八六・六%(二十四年度八三・九%)となっており、全国平均を三・一ポイント上回っている。
引き続き、児童が対象である自然の事物・現象への関心や意欲を高めつつ、そこから問題意識を醸成し、主体的に追究を進められるよう、意図的に活動を工夫した理科の学習を構築することが求められる。
▽「理科の勉強は大切だと思いますか」という質問では、肯定的に回答した割合が八五・四%(二十四年度八六・三%)となっており、全国平均を一・五ポイント下回っている。
肯定的に回答した割合は高くなっているが、今後とも、実際の自然や生活とのかかわりへの認識を含む理解を一層図り、理科を学ぶことの意義や有用性を実感し、理科を学ぶ意欲や科学への関心を高めるような指導が求められる。
▽「理科の授業の内容はよく分かりますか」という質問では、肯定的に回答した割合が八八・九%(二十四年度八七・一%)となっており、全国平均を一ポイント上回っている。今後とも、観察、実験を中核とした学習を通して、児童の実感を伴った理解を図っていくことが求められる。
▽「自然の中で遊んだことや自然観察をしたことがありますか」という質問では、肯定的に回答した割合が八三・六%(二十四年度八三・八%)となっており、全国平均を三・三ポイント下回っている。肯定的に回答した割合は比較的高いものの、豊かな自然環境をもつ札幌の児童の回答が、全国平均を下回っている。
今後、理科の学習はもとより、様々な教科等の活動の中で、児童が身の回りの自然にふれる機会をより一層多くすることで、児童の体験を通して自然を愛する心情を育てていくことが大切である。
▽「理科の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考えますか」という質問では、肯定的に回答した割合が六六・五%(二十四年度五七・七%)となっており、全国平均を二・八ポイント下回っている。
肯定的に回答した割合が、二十四年度調査と比較し高くなってはいるものの、児童が理科の学習で学んだ自然の事物・現象の性質や働き、規則性などが実際の自然の中で成り立っていることに気づいたり、生活の中で役立てられていることを確かめたりするなどし、実際の自然や生活とのかかわりへの認識を図るような指導の工夫を行うことが大切である。
▽「理科の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか」という質問では、肯定的に回答した割合が六八・九%(二十四年度七〇・四%)となっており、全国平均を五・六ポイントと大きく下回っている。児童が学習したことを生活とのかかわりの中でとらえ直すことで、理科の学習の有用性を感じる学習の構築が求められる。
▽「将来、理科や科学技術に関係する職業に就きたいと思いますか」という質問では、肯定的に回答した割合が二九%(二十四年度二七%)となっており、全国平均を〇・二ポイント上回っているものの、肯定的に回答した割合は低い。
理科を学ぶことの意義や有用性を実感する機会をもち、科学への関心を高める観点から、理科の学習で学んだことが実社会・実生活と深く関連していることを理解する学習の構築が求められる。
▽「理科の授業で、自分の考えをまわりの人に説明したり発表したりしていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が五六%(二十四年度四八%)となっており、全国平均を一・一ポイント上回っているが、肯定的に回答した割合はそれほど高くない。
児童が、表やグラフなどを活用しつつ科学的な言葉や概念を用いて考えたり説明したりするなどの活動が、学級の中のグループや学級全体での話し合いの中で行われ、繰り返されることにより、科学的な見方や考え方が深まっていくような学習の構築が求められる。
▽「理科の授業では、理科室で観察や実験をどのくらい行いましたか」という質問では、肯定的に回答した割合が八八・四%となっており、全国平均を一・六ポイント下回っている。観察や実験は、理科の学習の中核であり、より一層の充実が求められる。また、校庭や教材園、地域の公園などにおける身近な自然を対象とした観察、実験を行うことも大切である。
▽「観察や実験を行うことは好きですか」という質問では、肯定的に回答した割合が八九・四%(二十四年度八九%)となっており、全国平均を〇・七ポイント下回っている。今後とも、児童が目的や問題意識をもって意図的に自然の事物・現象に働きかけていく観察、実験を充実させることが求められる。
▽「理科の授業で、自分の予想をもとに観察や実験の計画を立てていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が七六・二%(二十四年度七三・三%)となっており、全国平均を〇・九ポイント上回っている。
今後とも、児童が自然に働きかけることによって見いだした問題に対して、予想や仮説をもち、それらをもとにして観察、実験などの計画や方法を工夫して考える学習活動の構築が求められる。
▽「理科の授業で、観察や実験の結果から、どのようなことが分かったのか考えていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が八〇・八%(二十四年度七八%)となっており、全国平均を〇・四ポイント上回っている。
今後とも、予想や仮説を立てて観察、実験を行うだけではなく、その結果について予想や仮説をもとに考察を行う学習活動を充実させることにより、科学的な思考力や表現力の育成を図ることが求められる。
▽「理科の授業で観察や実験の進め方や考え方が間違っていないかを振り返っていますか」という質問では、肯定的に回答した割合が六五・三%(二十四年度六一・三%)となっており、全国平均を一・八ポイント下回っている。
児童が見通しをもち、観察、実験の結果をもとに予想や仮説の妥当性を検討したり、観察、実験の方法を見直したりするなどの学習活動を、児童の実態を考慮しながら構築することが求められる。
(市町村 2016-01-22付)
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